小学生の子供には外でのびのびと遊んでほしいですよね。
でも、外で遊んでいるうちに虫に刺されてしまうかもしれません。
子供が外出先で虫に刺されないように、虫除けスプレーで予防してあげましょう。
虫除けスプレーには、有効成分としてディートを使用したものと、イカリジンを使用したものがあります。
ディートとイカリジンは虫除け効果と子供への安全性に違いがあります。
有効成分の特徴を知って、外出先に応じて虫除けスプレーを使い分けることをおすすめします。
目次
子供が外出先で虫に刺されないようにする方法
子供が蚊などの虫に刺されないようにするためには、肌の露出を抑えた服装をすることが有効です。
長袖の上着と長ズボンを着用し、裸足でのサンダル履きを避けることで、蚊などに刺されることを防ぐことが期待できます。
でも、暑い日に子供が長袖の上着を着て外で遊ぶのは現実的ではないですよね。
そのような場合は、虫除け(忌避剤)スプレーを使って蚊などによる虫刺されから子供を守りましょう。
虫除けの有効成分ディートとイカリジンの違い
虫除けスプレーには、有効成分としてディートを使用したものと、イカリジンを使用したものがあります。
ディートとイカリジンは虫除け効果と子供への安全性に違いがあります。
ディートを有効成分とする虫除けスプレーは多くの虫に効くが子供の使用には注意が必要
ディート(DEET)は多くの虫除け剤に使用されている化学物質で、昆虫の嗅覚受容体に作用することにより忌避効果を発揮します(参考文献1)。
ディートは蚊やブユ(ブヨ)、アブ、マダニ、ノミ、サシバエ、イエダニなど様々な虫に対して効果があります。
さらに、虫だけでなくヤマビルに対しても効果があります。
一方で、ディートは効果が強すぎるのが裏目に出て、子供の使用にはあまり適していません。
ディートを含む虫除けスプレーは、生後6ヶ月未満の赤ちゃんには使用できません(参考文献2,3)。
6ヶ月以上2歳未満の子どもは1日1回まで、2歳以上12歳未満の子どもは1日3回までが使用目安とされています(参考文献2)。
また、ディートを高濃度(有効成分として30%)含む虫除けスプレーは、12歳未満は使用できないので注意が必要です(参考文献3)。
ディートは強力な虫除け効果を有しますが、他にも独特のニオイ、べたつき感、プラスチックや化学繊維、皮革の腐食というデメリットがあります。
イカリジンを有効成分とする虫除けスプレーは効果が限定的だが安全性が高い
イカリジン(Icaridin)は、虫除け効果が確認されている虫がディートよりも少なく、蚊とブユ(ブヨ)、アブ、マダニの4種類です(参考文献2)。
ただ、これらの虫に対する効果はディートと同等の強さがあります。
安全性が高く、使用するための年齢制限がないため、生後6ヶ月未満の赤ちゃんや小さな子供でも安心して使えます。
子供の外出先によって虫除けスプレーを使い分ける
上記で説明したように、ディートを有効成分とした虫除けスプレーは様々な虫に対して効果がありますが、子供への使用にはあまり適していません。
一方、イカリジンを有効成分とした虫除けスプレーは、蚊とブユ(ブヨ)、アブ、マダニの4種類に対する効果に限定されますが、子供も安心して使用できます。
そのため子供の外出先によって虫除けスプレーを使い分けることをおすすめします。
・イカリジンを有効成分とした虫除けスプレーの使用が適した外出先
都市部や学校、家の近所などへの外出
(蚊に刺されることを予防したい日常の外出)
・ディートを有効成分とした虫除けスプレーの使用が適した外出先
山林など自然の豊かな場所への外出
(キャンプや虫取りなど、様々な虫に遭遇する可能性のある外出)
小学生におすすめの虫除けスプレー
市販の商品の中で小学生に適した虫除けスプレーをピックアップしました。
小学生が使用する場合は、スプレーのタイプがミストのものが扱いやすくておすすめです。
虫除けスプレーは、露出している肌(目や口の周り以外)にまんべんなく塗り広げてください。
日焼け止めと一緒に使うときは、日焼け止めをぬった後に虫除けスプレーを使用してください。
虫除けスプレーには効力持続時間があるので、効力持続時間を目安に必要に応じで塗りなおしてください。
また、汗をかいたり長時間にわたって紫外線を浴びたりすると虫除け成分が落ちてしまうことがあるので、その場合は効力持続時間内であっても塗りなおしてください(虫除けスプレーを塗布してから2~3時間後が目安です)(参考文献2)。
イカリジンを有効成分とした虫除けスプレー
イカリジン濃度が5%(効力持続時間:~6時間)の虫除けスプレー
・KINCHO プレシャワー お肌の虫除けスプレー DF
服の上から使え、無香料です(80 mlの持ち運びに便利なコンパクトサイズも販売されています)。
逆さまにしても使えるので、虫よけを塗りにくい足元や背中にも簡単にスプレーできます。
肌にやさしい成分として、ミネラル成分豊富な海洋深層水が使用され、ヒアルロン酸ナトリウムが配合されています。保存料は無添加で低刺激です。
イカリジン濃度が15%(効力持続時間:6~8時間)の虫除けスプレー
・KINCHO お肌の虫よけ プレシャワーDF PRO
服の上から使え、無香料なのでニオイが気になる方におすすめです。
肌にやさしい成分として、ミネラル成分豊富な海洋深層水が使用され、ヒアルロン酸ナトリウムが配合されています。保存料は無添加で低刺激です。
・スキンバルサン 乳幼児にも使える 虫よけミスト 220ml
服の上から使え、やさしい石けんの香りです。
潤い成分としてトレハロース、清涼成分としてメントールが配合されています。
ディートを有効成分とした虫除けスプレー
ディート濃度が10%(効力持続時間:1~2時間)の虫除けスプレー
小学生は1日3回まで使用可能
・スキンベープミスト 200ml
爽やかなシトラスマリンの香りで、たっぷり使えるファミリーサイズです。
・サラテクト ウォーターミスト 虫よけスプレー [200mL]
肌にやさしいウォーターインで、4種のうるおい成分、ヒアルロン酸Na、コラーゲン、セラミド、ビタミンCが配合されています。
薬剤のにおいを抑えた低刺激、無臭タイプです。
・サラテクト フレッシュミスト 虫よけスプレー [60mL]
持ち歩きやすい携帯サイズで、マリンの香りです。
まとめ
小学生への使用に適した虫除けスプレーを紹介しました。
イカリジンを有効成分とした虫除けスプレーは、蚊に刺されることを予防したい日常の外出に使用することをおすすめします。
ディートを有効成分とした虫除けスプレーは、虫除け効果が強力ですが、子供に対する安全性があまり高くありません。
そのため、ディートを有効成分とした虫除けスプレーは、様々な虫に遭遇する可能性のある山林など自然の豊かな場所への外出に限定して使用することをおすすめします。
虫除けスプレーを効果的に使い分けて、虫に刺されることから子供を守ってあげてくださいね。
参考文献
- 高橋弘雄,坪井昭夫. 嗅覚系におけるCO2センシングの分子機構. におい・かおり環境学会誌 2015 46(3):209-217.
- バルサンWebサイト. 赤ちゃん、子ども向けの蚊・虫除け対策を紹介! 虫除け剤の選定ポイントは? https://varsan.jp/gaichu/baby-insect-repellent/
- 沢辺京子. 2)デング熱等蚊媒介感染症と媒介蚊について. 日本内科学会雑誌 2017 106(3):444-450.
<おすすめ記事>