小学校中学年(3年生と4年生)の夏休みの自由研究。
多くの場合、小学校中学年の子供が夏休みの自由研究を一人で行うのは困難なので、保護者のサポートが必要です。
でも、子供の自由研究のサポートは保護者にとっても大きな負担になりますよね。
ゼロから取り組むと大変なので、市販の自由研究・工作キットをうまく活用するのがおすすめです。
キットを少し工夫してオリジナルな自由研究・工作となるように子供を導いてあげてください。
ここでは、ライフサイエンス系博士(本ブログの管理人)が、小学校中学年の自由研究に役立つ市販の自由研究・工作キットを選んで紹介します。
気になるものがあったら、子供に自由研究の課題として提案してみてください。
目次
小学3年生は工作がメイン、4年生は理科系の自由研究が増える
大学生(120名、女子大学所属)が小学生時代に行った夏休みの自由研究のテーマを調べた文献では、以下のことが報告されています(参考文献1)。
・小学3年生時代(74名が自由研究を実施)
約6割の学生(47名)が図工系の自由研究(工作)を、約2割の学生(17名)が理科系の自由研究を実施(社会系4名、家庭科系6名)
・小学4年生時代(78名が自由研究を実施)
約5割の学生(36名)が図工系の自由研究(工作)を、約3割の学生(23名)が理科系の自由研究を実施(国語系2名、社会系4名、家庭科系13名)
このことから、小学3年生は工作がメインですが、小学4年生では理科系の自由研究が増える傾向があることがわかります。
小学3年生では理科と社会の授業が始まったばかりで知識も少ないので、自由研究は図工に関連した工作に取り組むのがおすすめです。
一方、小学4年生になると理科の授業を1年間経験した状態になります。
小学4年生では、自由研究として科学的な研究にチャレンジしてもいいと思います。
自由研究に保護者のサポートは必要
自由研究は、子どもが自らの問題意識に基づきながら方法を考え、主体的に問題解決に取り組む活動ですが(参考文献2)、知識や経験が少ない小学校中学年の子供にとって簡単なことではありません。
子供の自由研究を指導する人が必要です。
夏休みということもあり、小学校の先生からの指導は限定的であり、子供が頼れるのはお母さんやお父さん、身近な保護者です。
大変かもしれませんが、子供の自由研究をサポートしてあげてください。
子供が自由研究を通じて、最後までやり遂げて達成感を味わえるように導いてあげられるといいですね。
小学校中学年の自由研究・工作に市販のキットを活用
夏休みの自由研究・工作のテーマとなるものをゼロから調べて始めるのは大変な労力が必要になります。
子供が自分で自由研究・工作に関することを調べるなら学習として大きな意味がありますが、保護者がやる場合は子供の学習にはなりません。
ここは無理をせずに市販のキットを活用し、市販のキットを少し工夫してオリジナルな自由研究や工作となるように子供を導くのがよいと思います。
子供が市販のキットの内容を理解し、工夫する部分を考え、それを基に行動し、その結果について考えるのであれば、自由研究(自らの問題意識に基づきながら方法を考え、主体的に問題解決に取り組む活動)として成立します。
自由研究に役立つ市販の自由研究・工作キット8選
小学校中学年の自由研究に役立つ市販のキットを8つ紹介します。
デザインなどを考える必要がある工作キットと小学校中学年でも取り組みやすい自由研究キットを選びました。
自由研究1
ユカイなぼうけんクラフトキット
ロボットに興味がある子供にピッタリなキットです。
自由な発想と創造力で自分だけのオリジナルロボットをつくることができます。
ロボットといってもモーターと電池、スイッチの簡単な仕組みで、小学校中学年であれば問題なく取り組めます。
紙ストローを使って簡単に組み立てられますが、紙ストローにこだわらず、様々な材料を使ってロボットをつくってみるのもよさそうです。
自由研究2
木工ゲームシリーズ オットットゲーム
組み立ての難易度はやや高めですが、試行錯誤しながらつくる楽しみがあり、完成したときは達成感も大きいと思います。
デザインを考える自由もあります。
作った後に遊ぶのも楽しそう。
提出のために学校に持っていくと友達が遊んでくれて人気者になるかも?
自由研究3
自由工作に最適!楽しく作って・楽しく貯金(ちょっ金ハウス)
家の煙突からお金(コイン)を入れると、コインが自動的に分かれて貯金できる仕掛けがあります。
コインが分かれる仕掛けは見ていて楽しく、ついついお金をいれたくなります。
組み立てた後に、自由にペイントできてオリジナル作品ができます。
粘土やプラバンでつくった小物をボンドなどで貼りつけると、作品の評価もさらに良くなるかもしれません。
自由研究4
ルミカ おうちでできる!サイエンス&クラフト クローンフィンガーをつくろう!
指などの手の一部の石膏像をつくることができます。
指の形を考えて石膏像をつくれば、カードホルダーやペンホルダーなどもつくれます。
色を塗って仕上げるとアート作品になりますよ。
アイデア次第で面白い作品ができそうです。
石膏が固まる仕組みなどを調べたレポートを一緒に提出するといいかもしれません。
自由研究5
Magic Crystal
見ごたえのあるクリスタルを作製できます。
クリスタルはリン酸モノアンモニウムが結晶となったもので、クリスタルが大きくなるまで10日かかります。
観察記録や結晶ができるメカニズムを調べた内容、考察などをまとめると自由研究になります。
(以下の画像リンクから商品の詳しい説明や作り方のコツがのっているMagic Crystalの公式サイトに行けます)
関連記事「マジッククリスタルを育てるコツ教えます!自宅でクリスタルづくり」もよかったら読んでみてください。自由研究のヒントになるかもしれません。
自由研究6
レモン電池を作ろう (自由研究おたすけキット)
レモンなどの果物に、銅板や亜鉛板をさして電池をつくります。
音が鳴るメロディICがついていて、電気の発生を確認することができます。
どんなものを使って、どのようするとより強い電流がつくれるか、などの研究ができます。くわしいガイドブックとまとめ方実例レポートがついているので、自由研究に役立ちます。
デジタルテスター(付属していません)があると電圧(電位差)を数値として記録することができ、結果をまとめやすくなります。
そのため、デジタルテスターを準備して、電圧の測定に使用するといいかもしれません。
自由研究7
天体望遠鏡ウルトラムーン (科学と学習PRESENTS)
天体望遠鏡を自分で組み立てて、月を観察することができます。
月の満ち欠け、月の表面の様子、天体望遠鏡の仕組みなどについてまとめると自由研究になります。
月や天体について記載されているガイドブックも付属しています。
自由研究8
お天気予報パーフェクトセット (科学と学習PRESENTS)
風向風速計、気圧計、温度計、湿度計、雨量計、観測記録用紙などがセットになっていて、風速、気圧、温度、湿度、雨量の5つの気象要素が調べられます。
天気についての本格的な自由研究ができますよ。
天気の知識がつまったガイドブックも付属しています。
小学4年生におすすめです。
まとめ
小学校中学年(3年生と4年生)の夏休みの自由研究に役立つ市販の自由研究・工作キットを紹介しました。
夏休みの自由研究は子供だけでなく保護者にも負担が大きいです。
無理せずに市販の自由研究・工作キットをうまく活用してください。
たとえ市販のキットを使用しても、子供がひとりで進めるのはやっぱり難しいので、保護者が一緒に考え、サポートしてあげてくださいね。
参考文献
- 鞠子典子. 小学生の保護者が子供の夏休みの自由研究に抱える不安. 駒沢女子大学 研究紀要 2018 25:249-258.
- 佐藤綾, 栗原淳一. 子どもが理科の自由研究を進める上で必要とする指導・支援-ウェブ検索解析と小・中学校教科書の比較から-. 教材学研究 2016 27:143-150.
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