お化粧に使うパフ(スポンジパフ)、洗っていますか?
もし、洗っていないなら、そのパフは雑菌だらけかも・・・。
雑菌のせいでお肌のトラブルにつながる可能性もあるので、パフをこまめに洗って清潔に保ちましょう。
パフを洗う方法はいくつかありますが、研究論文(参考文献1)の情報を基にすると、食器用洗剤を用いた洗い方が除菌の効果が高いようです。
ここでは、ライフサイエンス系博士(本ブログの管理人)が、食器用洗剤を用いたパフの洗い方を紹介するので参考にしてみてください。
使用済みのパフは雑菌で汚染されている!?
肌の表面には様々な微生物が存在しています。
パフを使用した際に、肌の表面から汗や皮脂とともに微生物がパフに付着し、皮脂等を栄養源として増殖します。
そのため、使用済みのパフからは1万個以上の雑菌(細菌やカビ、酵母などの微生物)が検出されることがあります(参考文献1,2)。
使用済みのパフに存在する主な雑菌は、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)で、人間の肌に存在する細菌としても知られています(参考文献1)。
この表皮ブドウ球菌は不快なニオイの原因菌でもあります(参考文献3)。
また、使用済みのパフからは、皮膚疾患と関連する黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)の検出も報告されており、肌トラブルなどの健康リスクにつながる可能性が懸念されます。
このように使用済みのパフは雑菌で汚染されるため、パフをこまめに洗って除菌することが大切です。
洗剤によってパフの洗浄効果が違う
2014年の研究論文では、5種類の洗浄剤(洗剤)についてパフ(スポンジパフ)洗浄時の除菌効果と洗浄効果、肌触りへの影響について調べた結果が報告されています(参考文献1)。
その結果、最も除菌効果が高いのは食器用洗剤(台所用洗剤)でした。
洗浄効果と肌触りに関しても、食器用洗剤(台所用洗剤)が最も良い結果となっています。
一方、メイク落としで洗った場合は、3つの項目すべてで他の洗剤と比べて大きく劣る結果となっています。
メイク落としでパフを洗うことはやめたほうがよさそうですね。
スポンジパフを洗ったときの除菌効果の順位
(2014年の論文データ(参考文献1)より順位付け、試験菌:表皮ブドウ球菌)
1位 台所用洗剤(除菌成分配合の台所用合成洗剤)
2位 石けん(洗顔用液体石けん)
3位 薬用石けん(殺菌成分配合薬用液体石けん)
4位 パフ専用洗剤(スポンジパフ用合成洗剤)
5位 メイク落とし(オイルタイプ)
スポンジパフを洗ったときの洗浄効果の順位
(2014年の論文データ(参考文献1)より順位付け、色差値で洗浄効果を評価)
1位 台所用洗剤
2位 パフ専用洗剤
3位 薬用石けん
4位 石けん
5位 メイク落とし
スポンジパフを洗ったあとの肌触りの順位
(2014年の論文データ(参考文献1)より順位付け、10人のモニターが評価)
1位 台所用洗剤
1位 パフ専用洗剤
3位 薬用石けん
4位 石けん
5位 メイク落とし
パフを洗うのにおすすめの食器用洗剤
上記で紹介したように、お化粧に使用するパフは食器用洗剤(台所用洗剤)を使用することがよさそうです。
食器用洗剤は、パフに強い香りがつくのを抑えるために、除菌効果があってニオイがあまりしないタイプのものがおすすめです。
例えば「除菌ジョイ」は微香性で除菌成分が配合されています。
食器用洗剤を用いたパフの洗い方
2014年の論文(参考文献1)に記載された方法をもとに、食器用洗剤を用いたパフ(スポンジパフ)の洗い方を以下に紹介します。
洗い
① 洗面器などの容器に水または40℃以下のぬるま湯を入れておきます。
② 食器用洗剤をパフに10滴程度たらします。
③ 30秒間手でやさしく揉んで食器用洗剤とパフをよくなじませます。
(食器用洗剤原液をパフになじませることにより、食器用洗剤中の高濃度界面活性剤がパフに付着したファンデーションの油分を溶かしだします。)
④ 最初に準備しておいた水またはぬるま湯の中で、食器用洗剤となじませたパフを2分間手でやさしく揉んで洗います。
⑤ その後、洗浄水を捨てて、パフを手のひらで包み込むように抑えて水気をしぼります。
すすぎ
① 洗面器などの容器に水または40℃以下のぬるま湯を入れます。
② 水またはぬるま湯の中で、パフを2分間手でやさしく揉みます。
③ その後、洗浄水を捨てて、パフを手のひらで包み込むように抑えて水気をしぼります。
④ すすぎの①~③の操作をさらに2回以上繰り返してください。
(②の操作の後、水またはぬるま湯が透明になるまでがすすぎの目安です。雑菌を増やさないためにもすすぎをしっかり行うことが大切です。)
乾燥
乾いたタオルやキッチンペーパーなどでパフをはさんで水気を切ります。
乾いたタオルやキッチンペーパーの上にパフを置いて、風通しの良い日陰でしっかりと乾かしてください。
まとめ
ここでは除菌効果が期待できる食器用洗剤を用いたパフの洗い方をご紹介しました。
パフは使用するたびに肌の表面由来の雑菌が付着します。
そのためパフは毎日洗うことが好ましいです。
毎日が無理な場合は、衛生的な面から使い捨てのパフを使うことも検討してみてください。
参考文献
- 岡崎貴世. 化粧用パフの微生物汚染状況と効果的な洗浄方法の検討. 四国大学紀要 2014 39:1-6.
- 山本直子ら. 化粧用パフから分離される細菌類について. 聖徳栄養短期大学紀要 1991 22:7-11.
- 小林真次. 表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)と不快な足臭との関係について. 日本細菌学雑誌. 1990 45:797-800.
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