歯をみがいてきれいに・・・。
そのつもりが、実は雑菌で汚染された歯ブラシで、歯に雑菌を塗り付けているなんてこともあるかもしれません。
歯ブラシは使用する度に口の中などに由来した雑菌(微生物)に汚染されます。
そのため、歯ブラシは使用する度に除菌したほうがよさそうです。
おすすめの歯ブラシの除菌方法は、ホワイトビネガーを用いた方法。
歯磨き後の歯ブラシをホワイトビネガーに浸すだけ。簡単です。
電動歯ブラシ(替えブラシ)の除菌にもおすすめですよ。
以下では、ライフサイエンス系博士(本ブログの管理人)がホワイトビネガーを用いた除菌方法を紹介します。
目次
歯ブラシは微生物に汚染されている
歯ブラシは歯をみがいてきれいにするために使用しますが、実は歯ブラシ自体が細菌や真菌などの微生物(雑菌)に汚染されて汚い可能性があります。
日常的に使用されている歯ブラシからは1,000~100,000個もの細菌が検出されることが研究論文で報告されています(参考文献1)。
これらの歯ブラシを汚染している細菌の多くは、口の中の細菌であり、歯磨きをした際に歯ブラシに付着します。
そして、これらの細菌は歯ブラシの中で1日から1週間生き残ることができます。
また、歯ブラシは口の中の細菌以外にも、手や歯ブラシの保管容器、保管場所などに存在していた微生物に汚染される可能性があります。
例えば、お風呂場の近くに歯ブラシを置いている場合は、お風呂から飛散した腸内細菌などを含むエアロゾル(微細な水滴)粒子が歯ブラシに付着して、汚染される可能性があります。
歯ブラシを汚染しているのはどんな微生物?
歯ブラシを汚染する微生物は細菌(バクテリア)と真菌(カビと酵母)です。
特に細菌が歯ブラシを汚染しています。
歯ブラシを汚染する細菌の種類を網羅的に調べた研究では、以下の細菌が多く存在していました (参考文献1)。
- 多剤耐性を持つ可能性があるエンテロコッカス(Enterococcus)属細菌
- 日和見感染性の可能性があるシュードモナス(Pseudomonas)属細菌
- 口腔疾患に関連する可能性があるストレプトコッカス(Streptococcus)属細菌
この研究では、歯ブラシから100属以上の多様な種類の細菌が検出されましたが、そのうちの30%以上の属は病原性細菌を含む属でした。
また、虫歯や歯周病に関連する細菌も検出されました。
歯ブラシを除菌するには?
歯ブラシの微生物汚染は、歯ブラシを繰り返し使用しているうちにひどくなるようです(参考文献2)。
できれば歯ブラシは使った後に除菌したいところですよね。
最近はUV(紫外線)照射による歯ブラシの除菌装置が売られていますが、正直なところどれがよいのかよくわかりません。
また、UVは光があった部分しか除菌できない欠点があります(陰になる部分には効果なし)。
それならばUV以外の簡単な除菌方法がないかと調べてみました。
その結果、ホワイトビネガーを用いた除菌方法を見つけました。
ホワイトビネガーを用いた歯ブラシの除菌方法はいくつかの研究論文で報告があり、除菌効果が高いことが結果で示されています(参考文献3-5)。
ホワイトビネガーは料理に使うお酢の一種なので安全性が高いのもいいところです。
ホワイトビネガーを用いた歯ブラシの除菌方法
論文(参考文献3)に記載されたホワイトビネガーを用いた歯ブラシの除菌方法はシンプルです。
ホワイトビネガーを用いた歯ブラシの除菌方法
1. 歯磨き後の歯ブラシを水道水ですすぐ
2. 歯ブラシをホワイトビネガーに10分間浸す
3. 歯ブラシを水道水ですすぐ
ホワイトビネガーを用いた歯ブラシ除菌の実際
入手するのが少し面倒なホワイトビネガー
ホワイトビネガーを用いた歯ブラシの除菌方法を実際にやろうと思うと、当たり前ですがホワイトビネガーが必要になります。
ですが、このホワイトビネガー、一般的なスーパーではほとんど売っていません。
ちょっと面倒ですが、ネットなどで購入することになります。
例えばハインツのホワイトビネガーはAmazonなどで購入できます。
(ハインツのホワイトビネガーはカルディコーヒーファームなどの輸入食品を扱う店舗においてあるかもしれません)
国内製造のホワイトビネガーであるW-10は楽天で売っています。
私はW-10を購入しました。
ホワイトビネガー
ホワイトビネガーはアルコールを原料とした醸造酢です。
黄色味がかった穀物酢や米酢とは違って、ホワイトビネガーは無色透明で、お酢の匂いも控えめです。
一般的なホワイトビネガー(ハインツのホワイトビネガーなど)の酸度は5%です。
私が購入したW-10は業務用のため酸度が通常の2倍の10%でした。
そのためW-10は水で2倍に希釈して歯ブラシの除菌に使用します。
(ハインツのホワイトビネガーなどは原液でOK)
除菌用のホワイトビネガーの準備
私は100円ショップ(キャンドゥ)で買ってきたビンを容器に使用しました。
除菌用のホワイトビネガーは繰り返して使用できるので、蓋つきの容器がいいと思います。
たぶん1週間くらいは容器の中のホワイトビネガーを交換しなくてもよいと思います。
上述のようにW-10は酸度が通常の2倍高いので、水で2倍に希釈しました。
(次回の交換時に操作が簡単になるように、ビンには水とホワイトビネガーを入れる目安の線をつけておきました)
これで除菌用のホワイトビネガーの準備完了です。
ホワイトビネガーを用いた歯ブラシの除菌
あとは、ホワイトビネガーを用いた歯ブラシの除菌方法を実施します。
1. 歯磨き後の歯ブラシを水道水ですすぐ
2. 歯ブラシをホワイトビネガーに10分間浸す
キッチンタイマーがあると便利です(写真のキッチンタイマーはキャンドゥで購入しました)。
3. 歯ブラシを水道水ですすぐ
歯ブラシをすすいだ後はしっかりと水を切って、清潔で乾燥しやすい場所に保管します。
電動歯ブラシの除菌にも
ホワイトビネガーを用いた歯ブラシの除菌方法は一般的な歯ブラシだけでなく、電動歯ブラシ(替えブラシ)の除菌にもいいかもしれません。
実は私はブラウンの電動歯ブラシも使うのですが、替えブラシの内部が汚くなるのが以前から気になっていました。
そこでホワイトビネガーを用いた歯ブラシの除菌方法を替えブラシで試したところ、内部のよごれが付きにくくなりました。
電動歯ブラシの除菌にもおすすめです。
まとめ
歯ブラシは使用する度に細菌などの微生物に汚染されてしまいます。
でも、ホワイトビネガーを用いることで歯ブラシを簡単に除菌できます。
あなたもホワイトビネガーを用いて歯ブラシを除菌してみませんか?
参考文献
- Lee SY, Lee SY. Assessment of bacterial contamination of toothbrushes using Illumina MiSeq. Oral Biol Res 2019 43(3):180-188.
- Bunetel L et al. In vitro evaluation of the retention of three species of pathogenic microorganisms by three different types of toothbrush. Oral Microbiol Immunol 2000 15(5):313-316.
- Peker I et al. Effectiveness of alternative methods for toothbrush disinfection: an in vitro study. The Scientific World Journal 2014 2014:726190.
- Basman A et al. Evaluation of toothbrush disinfection via different methods. Braz Oral Res 2016 30: e6.
- Komiyama EY et al. Evaluation of alternative methods for the disinfection of toothbrushes. Braz Oral Res 2010 24(1): 28-33.
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