食べることができる野草スイバ|味は酸っぱい

食べることができる野草スイバ|味は酸っぱい

2021-04-02

草地や田のあぜ、道端などで見かける赤みのある先端がすっと上に伸びた植物、スイバ。

食べることもできて、茎や葉を生でかじると酸っぱい味がします。

私も子供のころ母に教えてもらい、スイバをかじったことがあります。

みずみずしさと酸っぱさで、記憶に残る味です。

昔から料理や生薬として利用されていたようです。

ただし、食べ過ぎると体に良くないので注意が必要です。

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スイバ

スイバの写真

スイバ(酸い葉)

学名:Rumex acetosa
別名:スカンポ
分類:タデ科ギシギシ属
花期:5~8月
分布:北海道、本州、四国、九州

茎や葉などにシュウ酸が含まれ、生でかじると酸っぱい味がするので、「酸い葉」と名付けられた。
葉は茹でてアクを抜くと食べやすくなる。
草丈は30~100 cm。
葉は長さ10 cmほどで、根元の葉には長い柄がある。
花茎につく葉は茎を抱く。
雌雄異株で、花は小さく、茎の先に集まり花序になる。
雌花が果実になると、内側の花被片が大きな翼のように広がり赤くなって目立つ。

色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑(1)

酸っぱいけど食べられるスイバ

スイバの茎や葉は食べることができますが、シュウ酸、シュウ酸塩が多く含まれるので、あく抜きすることが好ましいです(2)

あえ物、おひたし、塩もみ、サラダなどで食べられます(2)

文献(4)で紹介されている食用の仕方は、4月~5月頃、若い茎10~15 cmくらいのものをナイフで切り取り、冬から早春には、霜にあたって柔らかい葉を摘みます。

ひとつまみの塩をいれた熱湯あるいは重曹を入れてゆで、水にさらして、辛子あえ、酢みそあえ、油いためなどにします。

かなり伸びた茎は、つぼみつきの穂先と葉をとりのぞき、かたいものは茎の皮をむいて、10~12時間ほどうすめの塩水に漬けて、生のままサラダにできるそうです。

穂先は天ぷらにできます。

シュウ酸、シュウ酸塩が多く含まれるので、時々スイバ中毒が起き、多食すると有毒です。

若い人、高齢者が食すには注意を要します。

フランスではスイバをオゼーユ(oseille)と呼び、千切りにしたスイバをバターでいため、卵に加えて焼いてオムレツにして食べることが文献で紹介されています(4)

スイバの根はゆでる、あるいは干し粉にして食用に供したとの記録もあるそうです(5)

根から澱粉を精製する実験も報告されており、生鮮根に対し約6%の収率で淡赤色に帯色した澱粉が得られたことが報告されています(5)

生薬としてのスイバ

スイバは生薬名を酸模(さんも)と称し、すりつぶしたものを皮膚薬として用います(5)

また根を疥癬(かいせん)・たむしに外用、花を健胃薬とする記述も文献にみられます(6)

スイバには雌株と雄株がある

スイバの雌花の写真
スイバの雌花

スイバの雌株には雄しべを欠く雌花が見られ、雄株には雌しべを欠く雄花がつきます(2)

雌花は雄花に比べて花が小さく、果実が観察できます。

雄花は手で揺らすと花粉が散る様子が観察できます。

スイバの雌雄株はこのような外部形態を観察することで区別することができます。

雌雄の性比は平均で3.4であったことが報告されており(3)、雄株より雌株の方が多く存在しているようです。

スイバの世界では女性の方が圧倒的に多いということになりますね。

スイバの雌花と果実の写真
スイバの雌花と果実
スイバの雄花の写真
スイバの雄花

参考文献

  1. 高橋修, 藤井伸二(監修). 色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑. ナツメ社 2014.
  2. 越尾淑子. 野草の食べ方. 東京家政大学博物館紀要 2000 5:95-110.
  3. 加藤万幸ら. スイバの教材研究と高等学校生物におけるスイバの性比の観察を通した性決定機構の学習に関する実践的研究. 愛知教育大学教育実践総合センター紀要 2005 8:175-182.
  4. 植田吉則. スイバの生理・生態に関する研究とその教材化. 兵庫教育大学大学院 学校教育研究科 学位(修士)論文 1997.
  5. 藤本滋生ら. ギシギシ, スイバ, ウド, ソクズの澱粉について. 澱粉科学 1985 32(4):293-298.
  6. 越尾淑子, 原田真知子. 東京家政大学構内の役に立つ野草. 東京家政大学研究紀要 1997 37(2):43-49.