道端などで見かける淡い紫の小さな花、ツタバウンラン。
元々はヨーロッパ原産の外来種ですが、現在は日本全土に帰化しています。
イタリアの一部の地域ではツタバウンランは民間療法(外傷治療薬)に使われるようです(1)。
また、ツタバウンランには生理活性物質(数種類のイリドイド)が含まれていることが報告されています(2)。
ツタバウンラン
ツタバウンラン(蔦葉海蘭)
学名:Cymbalaria muralis
別名:ウンランカズラ、ツタガラクサ
分類:オオバコ科ツタバウンラン属
花期:5~10月
分布:ヨーロッパ原産、日本全土に帰化
帰化植物で、道端や生け垣、コンクリートの隙間などに生える。
色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑(3)
名前は葉がツタの葉に似ており、花の形態がウンランに似ていることからつけられた。
花の長さは7~9 mmで、薄青紫色に暗い紫色のすじが入る。
花は上唇と下唇に分かれ、下唇基部に2つの膨らみがあり、白~黄色になってよく目立つ。
花の後ろの部分には距があり、蜜がたまっている。
葉はツタのような円形で、直径1 cm程度のものが多いが、5 cmほどの大きさになる葉もある。
写真のツタバウンランはトンネルの入り口付近の舗装された道端に咲いていました。
個人的には花はシャコの顔に似ているなと思います。
上の写真は道端のフェンスをつたって上に伸びたツタバウンラン。
参考文献
- De Natale A, Pollio A. Plants species in the folk medicine of Montecorvino Rovella (inland Campania, Italy). J Ethnopharmacol 2007 109(2):295-303.
- Bianco A et al. Muralioside, an iridoid from Cymbalaria muralis. Phytochemistry 1997 44(8):1515-1517.
- 高橋修, 藤井伸二(監修). 色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑. ナツメ社 2014.
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