玉房状のピンク色や白色の花がかわいらしいヒメツルソバ。
明治時代にロックガーデン用の園芸植物として移入され、現在では道端のコンクリートの隙間などでも見かけます。
高温や乾燥に強く、繁殖力が強い植物です。
近年は河川敷などに生育地域を広げていることが問題視され、日本の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種とされています。
ヒメツルソバ
ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)
学名:Persicaria capitate
別名:カンイタドリ
分類:タデ科イヌタデ属
花期:5~8月
分布:中国南部~ヒマラヤ原産、本州(関東地方以西)、四国、九州、沖縄に帰化
明治時代に渡来し、園芸植物として栽培されていたが、1960年代以降、都市部を中心に急速に分布を広げてきた帰化植物。
色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑(1)
市街地や家の庭先、石垣などに生える多年草。
高温や乾燥に強い。
茎は褐色で地をはい、枝分かれをしながらマット状に広がる。
茎の先端に、ぎゅっとかたまった花序を1~3個つける。
花序の長さは0.8~1.2 cm、白~淡紅紫色で球状になる。
葉は小さな楕円形で、中央には暗緑色~暗紫色の逆V字形の模様が入って目立つ。
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生息地域を広げるヒメツルソバ
外来種であるヒメツルソバは、90年代中頃から現在にかけて生育地域を広げ、一級河川の河川敷への侵入が急激に増加しているそうです(2)。
環境省により2015年に公表された「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト」に本種は掲載されています。
参考文献
- 高橋修, 藤井伸二(監修). 色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑. ナツメ社 2014.
- 中野信宜, 藤原宣夫. 外来植物ヒメツルソバ種子の発芽に及ぼす光・温度の影響. 環境情報科学論文集 2016 30:107-110.