中心が黄色で、紫色のすじの入った6枚の花被片の花を咲かすニワゼキショウ。
花の色は紫色だけでなく、白紫色のものもあります。
キレイな花は残念ながら1日でしぼんでしまいますが、春の花の季節には次々に花が咲きます。
ニワゼキショウとよく似ていて一回り小さい花を咲かせるオオニワゼキショウが近くで咲いていることもあるかもしれません。
ニワゼキショウ

ニワゼキショウ(庭石菖)
学名:Sisyrinchium rosulatum
別名:ナンキンアヤメ
分類:アヤメ科ニワゼキショウ属
花期:5~6月
分布:北アメリカ原産、日本全土に帰化
庭に植えられ、葉がサトイモ科のセキショウに似ているので、この名がついた。
色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑(1)
明治20年ごろ日本に渡来し、現在は日当たりのよい芝生や道端などに野生化している。
草丈10~20 cm。
葉は平たい線形で長さ約10 cm、根際からたくさん生える。
直径1.5 cmほどの6枚の花被片が下部で合着した花は紫色~白紫色で変化が大きく、中心には黄色、濃紫色のすじが入る。
花は次々に咲くが、1日でしぼむ。
花の後にできる果実は、直径3 mmほどで丸く、熟すと3つに割れる。

ニワゼキショウに似たオオニワゼキショウ



オオニワゼキショウは、草丈30 cm程度になるが、花は直径1 cm。
色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑(1)
オオニワゼキショウはニワゼキショウより花が小さい。
別名アイイロニワゼキショウ。
分類が難しいニワゼキショウの仲間

オオニワゼキショウを含むニワゼキショウの仲間は分類が難しい種群です(2)。
ニワゼキショウは自然雑種を形成し、オオニワゼキショウとの間の自然雑種も報告されています(3)。
参考文献
- 高橋修, 藤井伸二(監修). 色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑. ナツメ社 2014.
- 山口裕文. 帰化雑草ニワゼキショウ属植物について. 植物分類,地理 1986 37(4-6):143.
- 山口裕文, 平井佐津紀. ニワゼキショウの自然雑種と花色の遺伝. 雑草研究 1987 32(1):38-45.
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