ミドリハカタカラクサの花は美しく、白い3枚の花弁に、たくさんの白い毛が生えていています。
ミドリハカタカラクサは繁殖力が強く、日本の生態系への影響が懸念されている外来種です。
写真を撮ったミドリハカタカラクサは、住宅街近くの公園の木々の下、日陰で湿った場所に生えていました。
徐々に分布を広げているのかもしれません。
ミドリハカタカラクサ
ミドリハカタカラクサ(緑博多唐草)
学名:Tradescantia fluminensis ‘Viridis’
分類:ツユクサ科ムラサキツユクサ属
花期:4~8月
分布:南アメリカ原産、本州、四国、九州に帰化
ミドリハカタカラクサは、茎と葉は緑色をしています(参考文献1)。
茎は地面をはうように伸びてから立ち上がります。
地面に接している部分から盛んに発根します。
花は、白い3枚の花弁が三角形に見えます。
6本の雄しべから、雄しべに似た多数の長い毛がブラシのように生えます。
ミドリハカタカラクサは日本の生態系へ影響が懸念されている
ミドリハカタカラクサは、昭和初期に観賞用に持ち込まれた園芸品種が先祖返りをして野生化した帰化植物です(参考文献1)。
美しい花を咲かせる植物ですが、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれがあるため、世界中で侵略的外来種と警戒されています。
結実することは滅多にありませんが、根や茎が1 cmあれば再生し、増殖することができます。
自然度の高い小川や林緑に入ると一面を占拠してしまいます。
一方で、乾燥には弱い傾向があります。
ミドリハカタカラクサとノハカタカラクサの違い
ミドリハカタカラクサの花は、ノハカタカラクサの花と比較してサイズが大きいという違いがあります(参考文献1)。
また、ミドリハカタカラクサの茎と葉は緑色ですが、ノハカタカラクサの茎や葉の裏は暗紫色という違いがあります。
しかし、正式な和名・学名の取り扱いは諸説あり、ミドリハカタカラクサはノハカタカラクサに統合される場合もあります。
参考文献
- 森昭彦. 帰化&外来植物 見分け方マニュアル950種. 秀和システム 2020.