テレビや動物園などで見るアライグマはかわいいですよね。
でも、成長すると飼育が困難になるほどに気性が荒くなるそうです。
そのため、過去にはペットとして飼われていたアライグマが遺棄されたこともあったのだとか。
現在は野生化したアライグマがどんどん増えて害獣として認識されています。
関東や関西の都市部でもアライグマに関する相談件数は急増しています。
身近な被害としては、アライグマが家の屋根裏(天井裏)などに侵入して棲みつくことがあります。
家屋や庭の破壊の他、糞尿による住居の汚染、鳴き声による騒音、イヌ、ネコ、コイなどのペットを襲う、ペットの餌の横取りといった被害があります。
あなたのお家は大丈夫でしょうか?
もし、家にアライグマが棲みついたときはなるべく早く駆除することが大切です。
でもアライグマに対処するときは気をつけてください。
野生化したアライグマへの対処には、鳥獣保護法と外来生物法の2つの法律が関係し、基本的には無許可でのアライグマの捕獲はできません(アライグマは特定外来生物に指定されています)。
そのため、自分で対処しないようにしてください。
自治体によってはアライグマの駆除を行っている場合もあるので、まずは自治体に確認してみてください。
自治体での対処が難しい場合や早く解決したい場合は、害獣駆除業者に駆除を依頼してください。
ここでは、ライフサイエンス系博士(本ブログの管理人)が、アライグマに関する情報とおすすめの害獣駆除業者を紹介します。
害獣駆除業者を探す際は参考にしてください。
目次
アライグマの野生化と分布拡大
アライグマ(Procyon lotor)は、ネコ目アライグマ科アライグマ属に分類される動物です(参考文献1)。
アライグマは秋田県、高知県、沖縄県を除く44都道府県で生息が確認され、北海道、本州、四国、九州に定着し、分布域が著しく拡大しています(参考文献2)。
1962年に、愛知県の動物園から逃亡した個体の定着が岐阜県可児市で確認され、これが日本における最初の定着記録とされています(参考文献1)。
1977年にアライグマを主人公とするテレビアニメ「あらいぐまラスカル」が全国ネットで放映されて以降、アライグマはかわいい動物だというイメージが広がり、ペットとして大量に輸入されました。
しかし、成長すると粗暴になる個体が多く、飼育に困難を伴うようになって遺棄されたり、前肢が器用で飼育施設から逃亡したりして、全国各地で野生化し定着が進みました。
アライグマの見た目の特徴
体の色
灰白色の場合が多いですが、個体変異があり、ほとんど黒色のものも存在します(参考文献1)。
眉間に黒い筋、目のまわりから頬にかけて黒いマスク様の模様があります。
ヒゲは白く目立ちます。
耳は大きく白い縁取りがあります。
尾
長く密にふさふさとした毛が生えており、4~7条の黒いリングが特徴的です。
形態
前肢の指は長く、物を掴むことができます。
歩く際にかかと(足の裏の全面)が地面につきます。
足跡は5本の指がはっきりわかれ、人の手に似ます
サイズ
頭胴長は41~60cm、尾長は20~41cm、体重は2~10数kgが一般的です。
アライグマとタヌキの違い
アライグマと見た目が似ている動物としてタヌキが挙げられます。
アライグマとタヌキを見分けるポイントとして最もわかりやすいのは尻尾です(参考文献1)。
アライグマの尾は長く、リング状の縞模様があります。
一方でタヌキは尾が短く、縞模様はありません。
アライグマとタヌキの違い(参考文献1)
アライグマ | タヌキ | |
尾 | 長く、リング状の縞模様あり | 短く、縞模様なし |
歩き方 | かかとまで地面につけて歩く | つま先だけ地面につけて歩く |
足跡 | 人の手のように5本の指が長く、はっきり分かれる | 花模様に似た足跡 |
ヒゲ | 白く目立つ | 黒くて目立たない |
アライグマの行動
一般的に夜行性ですが昼間でも活動する場合があります(参考文献1)。
日中は樹洞や他の動物が掘った穴、屋根裏、廃屋などに入り込んでいることが多くあります。
冬眠はしませんが冬期は活動が低下します。
河川周辺を主な行動圏としています。
アライグマの繁殖
年1回繁殖で、1回に1~7頭、平均3~4頭を出産します(参考文献1)。
出産期は4月~6月ですが、この前後にずれることもあります。
オス、メスともに単独生活で、発情期のみペアが形成されます。
野外での最長寿命は13~16 年であり、飼育下では22.5年という記録があります。
アライグマの食べ物
雑食性で、環境の状況に柔軟に対応して様々な餌を食べる傾向があります(参考文献1)。
果実、木の実、柔らかく養分の多い茎や地下茎、野菜、穀類のほか、小型哺乳類、鳥類(主に雛と卵)、爬虫類、両生類、魚類、昆虫や甲殻類などを好みます。
アライグマによる住宅被害
アライグマは木登りが得意で、家の屋根裏(天井裏)や空き家・納屋などに侵入して棲みつくことがあります(参考文献1,3)。
家屋や庭の破壊の他、糞尿による住居の汚染や鳴き声による騒音、イヌ、ネコ、コイなどのペットを襲う、ペットの餌の横取りといった被害があります。
アライグマの住居侵入の特徴的な痕跡として、爪痕と足跡があります(参考文献4)。
爪痕は、幅は4.5 cm程度で5本の爪痕が並行に並び、柱などに残ることがあります。
足跡は長い指が特徴的です。
アライグマによる人獣共通感染症の媒介の可能性
アライグマを刺激すると、咬まれたり爪でひっかかれたりする可能性もあります。
人獣共通感染症にかかる可能性もあることから、不用意に近づかないようにしてください。
人間に感染する疾病として、狂犬病(ウイルス感染症)やアライグマ回虫症、アライグマ糞線虫症、レプトスピラ症(細菌による感染症)などの危険性があります(参考文献1,3)。
アライグマに関する相談件数
2014年から2018年までの(公社)日本ペストコントロール協会に寄せられた相談の集計によると、アライグマの相談件数は年々増加傾向にあります(参考文献5)。
2014年に95件であった相談件数が、2018年には320件と3.4倍に急増しています。
2018年の地域別の相談件数の上位は、兵庫、埼玉、東京、神奈川、大阪となっており、関東と関西の人口が多い都会の地域で多くなっています。
相談件数は5月頃に多くなる傾向があり、春に誕生した個体が活動できるようになるころにエサの豊富な人間の生活圏に移ることで被害が発生している可能性があります。
(公社)日本ペストコントロール協会に寄せられたアライグマに関する相談件数
2014年度 | 兵庫 38件 | 埼玉 13件 | 愛知 10件 | 東京・千葉 7件 | 大阪 6件 |
2018年度 | 兵庫 72件 | 埼玉 47件 | 東京 43件 | 神奈川 32件 | 大阪 27件 |
アライグマへの対処
アライグマが家に棲みついた場合は住宅被害が発生するため早めに駆除することが大事です。
でもアライグマに対処するときは気をつけてください。
野生化したアライグマへの対処には、鳥獣保護法と外来生物法*の2つの法律が関係しています(*アライグマは特定外来生物に指定されています)。
鳥獣保護法と外来生物法の両方とも基本的に無許可でのアライグマの捕獲は禁止されています。
アライグマを無許可で捕獲すると罰せられる可能性があるので、自分で対処しないようにしてください。
自治体によってはアライグマの駆除を行っている場合もあるので、まずは自治体に確認してみてください。
自治体での対処が難しい場合や早く解決したい場合は、害獣駆除業者に駆除を依頼してください。
多くの害獣駆除業者はアライグマを駆除した後、糞などの清掃と消毒、侵入防止対策などを行ってくれ、安心して生活をおくれるようになりますよ。
害獣駆除業者は複数から見積をとる
アライグマの駆除を害獣駆除業者に依頼する場合は、まずは複数の業者に見積をとることをおすすめします。
害獣駆除業者によって料金や対処方法が異なるので、見積の内容や応対の様子からベストの害獣駆除業者を選択してください。
以下におすすめの害獣駆除業者また害獣駆除業者の紹介サービスを紹介します。
これらを参考にして、複数の業者に見積をとってみてくださいね。
おすすめの害獣駆除業者
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害獣退治屋さんの評価・口コミは公式サイトで見ることができます。
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害獣駆除110番 は、東証上場企業である「シェアリングテクノロジー株式会社」が運営するアライグマなどの害獣駆除サービスで安心価格です。
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まとめ
近年、野生化したアライグマは日本全土で分布を拡大しています。
もし、家にアライグマが棲みついたときはなるべく早く駆除してください。
ただし、アライグマは法律の関係で無許可での捕獲はできません。
個人で対処しないようにしてください。
自治体によってはハクビシンの駆除を行っている場合もあるので、まずは確認してみてください。
自治体での対処が難しい場合や早く解決したい場合は、害獣駆除業者に駆除を依頼してくださいね。
参考文献
- アライグマ防除の手引き(計画的な防除の進め方)(改訂版). 環境省 自然環境局 野生生物課 外来生物対策室. 2014.
- 環境省自然環境局生物多様性センター 平成29 年度要注意鳥獣(クマ等)生息分布調査 調査報告書アライグマ・ハクビシン・ヌートリア. 2018.
- 池田透. アライグマ対策の課題. 哺乳類科学 2006 46(1):95-97.
- 川道美枝子ら. アライグマ侵入実態とその対策. 畜産の研究 2013 67(6):633-641.
- 谷川力ら. (公社)日本ペストコントロール協会に寄せられた害虫獣の相談件数―特に相談件数の多い種類と急増している種類について―. ペストロジー 2020 35(11):81-87.
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