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ニオイの原因菌を抑制する服の素材|レーヨン、リヨセル、綿

ニオイの原因菌を抑制する服の素材|レーヨン、リヨセル、綿

2021-01-28

もし、汗臭いニオイなどの体臭に困っているなら、ニオイの原因菌を抑制する素材でできた服を着るといいかもしれません。

汗臭いニオイの原因の1つは、服の中でニオイの原因菌 Micrococcus属細菌が増殖することにあります。

ポリエステルなどの合成繊維を素材とした服は、ニオイの原因菌を服の中で選択的に増やしてしまい、汗臭いニオイの発生を助長してしまいます(参考文献1)

一方、天然繊維である綿を素材とした服は、ニオイの原因菌の増殖を抑え、汗臭いニオイの発生を低減してくれます(参考文献1)

詳しくは関連記事「ポリエステルの服は汗臭いニオイの原因菌を増やしやすい」で紹介しているので、よかったら読んでみてください。

上記のように綿はニオイを抑えるのに有効な素材なのですが、再生セルロース繊維であるレーヨンと精製セルロース繊維であるリヨセルは、綿以上にニオイの原因菌の増殖を抑える効果が期待できます。

レーヨン、リヨセル、綿のいずれか、またはそれらを混合した素材の服を着れば、ニオイの原因菌の増殖が抑えられ、汗臭いニオイの発生も抑制できる可能性がありそうです。

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レーヨンの布ではニオイの原因菌の増殖が抑制される

レーヨンの布、綿の布、ポリエステルの布でのMicrococcu属細菌の増殖を説明する図

2014年に発表された研究論文(参考文献1)では、異なる素材でできた布に対してニオイの原因となる細菌が接種され、その増殖が評価されました。

その結果、汗臭いニオイの原因菌であるMicrococcus(マイクロコッカスまたはミクロコッカスと呼ばれます)属細菌の数は、レーヨンの布で大きく減少し、綿の布では変化せず、ポリエステルの布で増加しました。

また、レーヨンの布は、別のニオイの原因菌であるStaphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)(参考文献2)の数も大きく減らしました(綿の布では増加、ポリエステルの布では変化なし)。

これらの結果から、レーヨンを素材とした服ではニオイの原因菌の増殖が抑制されることが期待されます。

リヨセルの布でも汗由来の細菌の増殖が抑制される

2010年に発表された研究論文(参考文献3)では、異なる素材でできた布を用いて、男性と女性の汗由来の細菌の増殖が評価されました(汗由来の細菌にはニオイの原因菌以外も含まれます)。

その結果、男性の汗由来の細菌の増殖は以下の順で多い結果となりました(左側のほうが細菌の増殖が多い)。

綿の布 ≧ ポリエステルの布 > リヨセルの布

一方、女性の汗由来の細菌の増殖は以下の順で多い結果となりました。

ポリエステルの布 > リヨセルの布 ≧ 綿の布

男性と女性で結果は異なりましたが、リヨセルの布は汗由来の細菌の増殖を綿の布と同等かそれ以上に抑えることが示唆されました。

そのため、リヨセルを素材とした服でも、ニオイの原因菌の増殖が抑制されることが期待されます。

ニオイの原因菌の増殖抑制は汗臭いニオイの抑制になる

ポリエステルの服ではニオイの原因菌が増えて汗臭いニオイが発生することを説明する図
ポリエステルの服ではニオイの原因菌が増えて汗臭いニオイが発生する

人間の肌(表皮)には微生物が常に存在しています。

Micrococcus属細菌やStaphylococcus epidermidis(表皮ブドウ球菌)などのニオイの原因菌はもともと肌にいる常在菌です(参考文献4)

肌に存在していたニオイの原因菌が、服との接触や汗に運ばれて服の中に移動し、服の中で増えてしまうと汗臭いニオイなどの発生につながってしまいます。

レーヨンとリヨセル、綿のいずれかの素材の服では、服の中でのニオイの原因菌の増殖が抑制されるので、汗臭いニオイも抑えられることが期待されるのです。

また、それらを組み合わせて混合した素材(例えば、レーヨンと綿の混合素材、リヨセルと綿の混合素材)の服も、汗臭いニオイの発生抑制が期待されます。

合成繊維が混合された素材の服は効果がない可能性があるので注意!

綿とポリウレタンの混合素材を示すタグの写真

一方、ポリエステルなどの合成繊維が混合された素材の服の場合は、ニオイの原因菌が服の中で増殖してしまうかもしれません。

例えば、2014年に発表された研究論文(参考文献1)では、以下の混合素材の使用済みTシャツではMicrococcus属細菌の存在が認められています。

・95% 綿+ 5% エラスタン(ポリウレタン)の混合素材

・35% ポリエステル + 34% 綿 + 28% リヨセル + 3% エラスタンの混合素材

まとめ

レーヨン、リヨセル、綿のいずれか、またはそれらを混合した素材の服を着れば、ニオイの原因菌の増殖が抑えられ、汗臭いニオイの発生も抑制できる可能性があります。

もし、汗臭いニオイなどの体臭が気になる方は、これらの素材の服を着るとニオイの発生を抑えることができるかもしれません。

補足

レーヨンについて

レーヨンとは植物由来のセルロースを原料とした再生セルロース繊維で、製法などの違いでビスコースレーヨンと銅アンモニアレーヨン(キュプラ)と呼ばれるものがあります(参考文献5)

本サイトでレーヨンと呼んでいるのは、ビスコースレーヨン(ビスコースとも呼ばれます)のほうです。

銅アンモニアレーヨン(キュプラ)に関しては、上記の効果があるかは不明です。

レーヨン素材の衣類のお手入れ

レーヨン素材の衣類は光沢に優れ、絹のような質感が特徴的です。

ただしレーヨン素材の衣類はお手入れが少し大変です。

レーヨン素材の衣類は水に弱く、水での洗濯で縮みやすく、ダメージを受けやすいです。

そのため、基本的にはクリーニングに出すほうが良いかもしれません。

もしご家庭で洗われる場合は、手洗いがおすすめです。

中性洗剤(ドライマーク衣類専用)を使用した手洗いの場合[25℃の洗剤水溶液中(標準使用濃度)に15分つけおきし、すすぎを2回し、乾燥は室内で平干し]、3回程度までの洗濯であれば縮みを抑えられるようです(参考文献6)

リヨセルについて

リヨセルはテンセル(商標)とも呼ばれます。

木材パルプを原料にした精製セルロース繊維で、製造プロセスのエネルギー負荷が小さく地球に優しいセルロース繊維として評価されています(参考文献7)

リヨセル素材の衣類のお手入れ

リヨセル素材の衣類はソフトな風合いで、美しい光沢感が特徴的です。

リヨセルは洗濯耐久性が比較的高いです(参考文献7)

リヨセル素材の衣類を洗濯機で洗濯する場合は、衣類をネットに入れ、中性洗剤(おしゃれ着用)を使用して弱水流で洗濯してください(参考文献8)

弱アルカリ性洗剤を使用すると洗濯後に衣類の縮みや硬さが出る可能性があるので避けたほうが良いようです(参考文献8)

宅配のクリーニングサービス

お気に入りのレーヨン素材の衣類やリヨセル素材の衣類は自宅で洗濯するより、クリーニングに出したほうが安心かもしれません。

でも、クリーニング店に衣類を持って行って、終わったら取りに行くのはちょっと面倒ですよね。

最近はそんな面倒を解決する宅配のクリーニングサービスがあるようです。

店舗に行く必要はなく、自宅から宅配で送り、クリーニング後に自宅に届きます。

クリーニング後に必要な時期まで保管してくれるサービスもあります。

興味があれば利用を検討してみてはいかがでしょうか。

参考文献

  1. Callewaert C et al. Microbial odor profile of polyester and cotton clothes after a fitness session. Appl Environ Microbiol 2014 80(21):6611-6619.
  2. 小林真次. 表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)と不快な足臭との関係について. 日本細菌学雑誌. 1990 45:797-800.
  3. Teufel L et al. Material-dependent growth of human skin bacteria on textiles investigated using challenge tests and DNA genotyping. J Appl Microbiol 2010 108(2):450-461.
  4. Kooken JM et al. Characterization of Micrococcus strains isolated from indoor air. Mol Cell Probes 2012 26(1):1-5.
  5. 馬場本(堀ロ)絵未. レーヨンの化学(基礎化学品製造の実際と高校での教育実践). 化学と教育 2012 60(4): 172-177.
  6. 福田瑛子, 平林知美. 洗濯による織物の収縮と洗剤の影響. 和洋女子大学紀要 家政系編 2020 42:51-60.
  7. 奥林里子. リヨセル繊維のフィブリル化とピリング現象. 繊維機械学会誌 2006 59(6):331-334.
  8. 笠原勝次ら. リヨセル布の家庭洗濯による物性への影響. 繊維製品消費科学2008 49(2): 131-137.

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