アシダカグモ。部屋に出現するとビックリしますよね。
足が長くてサイズも大きいので、見た目のインパクトがすごいです。
でも、アシダカグモはゴキブリを捕食してくれる益虫なので、できれば殺生は避けたいところ。
早く部屋から出て行ってもらいたいところですが、動きも早くて追い出すのは簡単ではありません。
そこで、おすすめなのが虫取り網での捕獲による対処法です。
虫取り網を使えば、アシダカグモと一定の距離を保った状態で対処でき、直接触れる必要もありません。
上手くいけば短時間で捕まえて外へ逃がすことができます。
網での捕獲はアシダカグモへの負担も小さくなります。
アシダカグモが部屋に出現するもしもに備え、捕獲用の虫取り網を常備しておくといいですよ。
目次
アシダカグモの特徴
アシダカグモ:学名 Heteropoda venatoria (Linnaeus)
網を張らずに徘徊する大型のクモで、ゴキブリを捕食することが知られています(参考文献1)。
徘徊性のクモとしては日本最大種です。
体のサイズは2.2~2.8 cmで、足を広げた状態では7~12 cmの大きさになります。
顔(眼の下)に白っぽい線が横切っているのが特徴的です。
体は白、灰、褐色毛の混生によって灰褐色を呈し、寿命は3年程度です(参考文献3)。
幼体は10回程度の脱皮ののち成体となります(参考文献3)。
雌は初夏に産卵し、内板状の卵のうを食肢と第3脚ではさんで持ち歩きます(参考文献3)。
四国、九州、本州南部地域に分布し、人家内で多く見られ、夜間に電灯に集まる虫も捕食します(参考文献1)。
体が平らなため小さな亀裂や隙間に入り込むことができ、家の中などに侵入します。
寒さに敏感であるため、冬の気温が氷点下になる地域では屋外では生存できませんが、暖房された建物内であれば存在することがあります(参考文献2)。
テリトリーを持ち、1室に1個体しか生息できないので、ゴキブリ類の決定的な天敵とはなりえないまでも、屋内性のクモ類の中では、最も保護すべき種類といえます(参考文献3)。
アシダカグモを捕まえるには虫取り網がおすすめ
私の家にもアシダカグモがよく現れます。
窓と窓枠の隙間から侵入してくるようで、室内の窓近くの壁に出没することが多いです。
我が家では、室内に侵入してきた生物捕獲用に虫取り網を常備しています(玄関に置いています)。
アシダカグモを室内で発見した場合の捕まえ方を以下に書いておきますので参考にしてみてください。
捕獲成功の秘訣は焦らず冷静に対処することです。
また、これはアシダカグモを傷つけないためにも大切です。
虫取り網を使用したアシダカグモの捕まえ方
①アシダカグモ発見
・2人以上在宅時に室内でアシダカグモを発見した場合は、1人がアシダカグモを見張り、もう1人が虫取り網を取ってきます(ほうきがあればそれも持ってきてください。素手が嫌な場合は軍手をしてもOK!)。
・1人で在宅の場合は、静かに素早く虫取り網を取ってきます。
(アシダカグモを見失うと出てくるまで待つことになります。物陰に隠れてしまった場合は、ほうきなどを使って追い出すか、出てくるまで待ちましょう。)
②アシダカグモに虫取り網をかぶせる
・アシダカグモの位置が悪く、虫取り網をかぶせる十分なスペース(壁や床などの平面)がない場合は、虫取り網やほうきなどを使って広いスペースにアシダカグモを誘導後、アシダカグモに上から素早く虫取り網をかぶせます。
・虫取り網をかぶせるスペースが十分にある場合は、そのままアシダカグモに上から素早く虫取り網をかぶせます。
③虫取り網を壁などにくっつけて逃がさないようにする
アシダカグモに虫取り網をかぶせることに成功したら、虫取り網を壁(または床など)にしっかりとくっつけて隙間ができないようにしましょう。
隙間があるとそこから逃げられてしまいます。
④アシダカグモが虫取り網の先端側に移動するように誘導
虫取り網の袋の先端をつまんで袋の中の空間を広げます。
虫取り網の枠を壁などに密着させたまま少しずらしたり、ほうきを使っておどかしたりするなどして、アシダカグモが虫取り網の先端側に移動するように誘導しましょう。
壁などから虫取り網に移動したものの先端側に行かない場合は・・・。
虫取り網の口が上を向く状態になるように素早く回し、壁などで虫取り網の枠をトントンとたたき、網の先端にアシダカグモを落とします。
⑤虫取り網の中に閉じ込める
アシダカグモが虫取り網の先端側に移動したら、虫取り網を素早く回すように返し、虫取り網の枠で網の口をふさぎ、アシダカグモを網の中に閉じ込めます。
⑥外に逃がす
アシダカグモを閉じ込めた虫取り網を持って外に出て、虫取り網を動かして網からアシダカグモを逃がします。
これで一件落着です。
アシダカグモの侵入を防ぐ
虫取り網を使用したアシダカグモの捕まえ方を紹介しましたが、本当はアシダカグモが室内に入ってくることを防ぎたいところです。
アシダカグモは餌となるゴキブリを探して室内に侵入してきます。
そのため、餌となるゴキブリ駆除がアシダカグモの侵入を防ぐためには有効です。
また、ゴキブリ自体も外から室内に侵入してくるため、家の中と外のゴキブリを駆除することが重要です。
ゴキブリを駆除して、アシダカグモが室内に入らない環境づくりを心がけましょう。
ゴキブリの駆除に関しては関連記事「玄関やベランダでゴキブリと遭遇!奴らは外からやってくる」があるので、よかったらそちらも読んでみてください。
まとめ
虫取り網を使用したアシダカグモの捕まえ方を紹介しました。
もしよかったら虫取り網を常備し、アシダカグモが出現した際は捕獲して逃がしてあげてください。
参考文献
- 岡田一次, 小野正人. ニホンミツバチとクモ (蜘妹). ミツバチ科学 1994 15(2):69-74.
- Edwards Jr GB. Huntsman Spider, Heteropoda venatoria (Linnaeus) (Arachnida: Araneae: Sparassidae). EDIS 2003 2003(16).
- 安富和男, 梅谷献二. 原色図鑑/改訂・衛生害虫と衣食住の害虫. 全国農村教育協会 1995.
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