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公園で見つけた春の小さな紫の花キランソウは薬草としても有名

公園で見つけた春の小さな紫の花キランソウは薬草としても有名

2021-03-28

春の公園で見つけた紫色の小さな花たち。

地面に張り付くように広がっていて、意識していないと見逃して通り過ぎてしまいそうでした。

でも花をよく見ると、下側のほうが大きく広がり、口を開けているみたいな独特の形。

どんな植物だろうと気になって野草図鑑(1)で調べたら、キランソウという名前の植物で古くから民間薬として有名とのこと。

別名はジゴクノカマノフタで、薬草として使うと病気が治り地獄の窯のフタが閉まるというよい意味で呼ばれるそうです。

同じような意味合いで、九州にはイシャコロシという地方名もあるのだとか。

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キランソウ

キランソウの花の写真

キランソウ(金瘡小草)

別名:ジゴクノカマノフタ、イシャコロシ、筋骨草(キンコツソウ)
学名:Ajuga decumbens
分類:シソ科キランソウ属
花期:3~5月
分布:本州、四国、九州

花の長さは約1 cm。筒状の花が上下に分かれる。
この独特な形の花を唇形花と呼び、上側を上唇、下側を下唇と呼ぶ。
山野の草地に生え、根生葉を地面に張りつくようにロゼット状に広げる。
葉の裏側は紫色を帯び、全体に粗い毛が生える。

色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑(1)

薬草としてのキランソウ

キランソウの写真

薬草(民間薬)としてのキランソウの薬効などを文献で調べてみました。

薬効例1(2)
花期に全草を乾燥させておく。5~7 gを煎じて高血圧、解熱、去疫、下痢止め、腫れ物、腹痛に葉の汁を膿出し、害虫の毒消し、鎮咳去疲、下痢に煎用する。

薬効例2(3)
汁を打身、ねんざに使用する。神経痛に対して煎飲する。

薬効例3(4)
採取時期は花期で使用部位は全草。薬効は、高血圧、解熱、鎮咳、去疾、害虫の毒消、下痢、抗菌作用(特に緑膿菌、黄色ブドウ球菌、肺炎菌、大腸菌)、排膿促進。成分はステロイド、多糖質。

キランソウの生理活性物質の研究

キランソウは薬草として知られていることから、キランソウからの有用な生理活性物質の探索研究が行われています。

これまでに、抗がん、抗酸化、摂食阻害、抗菌、抗炎症、抗高脂血症、抗コリンエステラーゼ、細胞毒性活性などを示す生理活性物質が見つかっています(5)

まとめ

キランソウは身近にある薬草です。

覚えておくと何かの時に役立つかもしれません。

参考文献

  1. 高橋修, 藤井伸二(監修). 色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑. ナツメ社 2014.
  2. 越尾淑子, 原田真知子. 東京家政大学構内の役に立つ野草. 東京家政大学研究紀要 1997 37(2):43-49.
  3. 東四郎ら. 薩南諸島における伝承的薬用及び毒性植物調査報告 そのI. 種子島, 屋久島, 口永良部島, トカラ列島. 鹿児島大学理学部紀要 地学・生物学 1975 8:93-113.
  4. 越尾淑子, 中村信也. 商品アドバイザー業務報告書. 東京家政大学生活科学研究所研究報告 2009 32:9-30.
  5. Olatunde OZ et al. Advance of the chemical components and biological activities of Ajuga decumbens Thunb. Biomedical Journal of Scientific & Technical Research 2019 12(5):9545-9552.