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アリが種を運んでくれるホトケノザ

アリが種を運んでくれるホトケノザ

2021-04-26

春の道端で、見かけるホトケノザ。

仏様の座る台座のような葉っぱから、紅紫色の花がひょっこりと顔をのぞかせます。

ホトケノザの種にはアリを誘引する小さな付属体(エライオソーム)がついており、アリが種を運んで散布してくれます。

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ホトケノザ

ホトケノザの写真

ホトケノザ(仏の座)

学名:Lamium amplexicaule
別名:サンガイグサ
分類:シソ科オドリコソウ属
花期:3~6月
分布:本州、四国、九州、沖縄

半円形のはが向き合ってつく様子が、まるで仏の座る台座のようなのが名前の由来。
春の七草のホトケノザは本種ではなく、キク科のコオニタビラコのことで、本種は食用にはできないので注意。
葉が段々につくのでサンガイグサ(三階草)とも呼ばれる。
長さ2 cmほどの細長い紅紫色の花には、上唇と下唇があり、下唇には美しい模様が入っている。
この模様がハチへの蜜のありかを教える標識となり、足場にもなっている。
草丈は10~30 cmで、道端に生える。

色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑(1)

ホトケノザの種子はアリが運ぶ

ホトケノザの種子のエライオソームの写真

ホトケノザの種子には、餌器官であるエライオソームが備わっています(2)

エライオソームにはオレイン酸などのアリを誘引する物質が含まれています(3)

アリが巣の中に運び込んだ種子は、エライオソームが食べられた後、通常、無傷のまま捨てられます。

アリにより種子が運ばれ、ホトケノザの種子は広く散布されます。

ホトケノザの薬用

ホトケノザの写真

全草を筋肉痛、打ち身の鎮痛に用いることがあるようです(4)

参考文献

  1. 高橋修, 藤井伸二(監修). 色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑. ナツメ社 2014.
  2. 吉岡俊人, 高橋智子. 雑草の全滅リスク分散戦略:種子の散布と休眠・発芽の視点から. 草と緑 2016 8:28-47.
  3. 小林義浩. コニシキソウにおけるアリによる種子散布の意義とアリにとっての種子の価値. 鹿児島大学 2009.
  4. 越尾淑子, 原田真知子. 東京家政大学構内の役に立つ野草. 東京家政大学研究紀要 1997 37(2):43-49.