春の緑の地面には、ハナニラの白い花が映えます。
ハナニラは踏みつけたりしたときにニラに似たニオイがします。
細長い葉の形もニラに似ています。
また、同じ呼び名で紛らわしい中国野菜のハナニラ(ニラと同一種)が食用としてあります。
でも、野草のハナニラは、食用のニラ(中国野菜のハナニラ)とは異なる植物です。
野草のハナニラは、食べずに鑑賞するだけにしましょう。
ハナニラ
ハナニラ(花韮)
学名:Ipheion uniflorum
別名:イフェイオン、セイヨウアマナ
分類:ヒガンバナ科ハナニラ属
花期:3~4月
分布:メキシコ~アルゼンチン原産、北海道、本州、四国、九州に帰化
中南米原産の帰化植物。
色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑(1)
平たく細長い葉の形と、踏みつけたりしたときのにおいがニラに似ていて、花がニラと比べると大きく美しいことから花韮の名がついた。
日本には明治時代に入ってきて、園芸植物として植えられていたものが野生化している。
公園や道端などに生える。
草丈は15~30 cm。
花茎を何本か出し、それぞれ1個の花をつける。
直径3 cmほどの花は白色~淡紫色で、正面から見ると6枚の花被片が風車の羽のようにきれいに並んでいる。
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野菜のハナニラとは違う
同じハナニラという名前の中国野菜があります。
中国野菜のハナニラは、ニラと同一種で、一般のニラと品種が異なるものです(2)。
中国野菜のハナニラはニラなので食用ですが、野草のハナニラ(Ipheion uniflorum)はニラとは異なる植物で、有毒ではないものの食用ではありません(3)。
名前が紛らわしいので、勘違いして野草のハナニラを食べてしまわないように注意が必要です。
参考文献
- 高橋修, 藤井伸二(監修). 色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑. ナツメ社 2014.
- 島本文子. ハナニラの農薬残留解析およびニラとの比較. 高知農技セ研報 2012 21:25-32.
- 植物性自然毒による食中毒. 平成19年 東京都の食中毒概要. (編集・発行) 東京都福祉保健局健康安全部食品監視課 2009 121-129.