庭先などに生えるチドメグサ。
咲く花はとても小さくて、観察するときはルーペがあったほうがよさそうです。
チドメグサは傷口からの血を止める効果がある有用な草ですが、一方で芝生の厄介な雑草となることもあります。
チドメグサ

チドメグサ(血止草)
学名:Hydrocotyle sibthorpioides
別名:チトメグサ
分類:ウコギ科チドメグサ属
花期:6~10月
分布:本州、四国、九州、沖縄
道端や庭先などに生える。
色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑(参考文献1)
細い茎が枝分かれしながら、地面にへばりつくように伸びていく。
葉は直径1~1.5 cmで丸く、浅い切れ込みが入り、ふちに鋸歯がある。
葉の表面にはつやがある。
花は緑色で小さく、集まって咲く。
果実も直径約1 mmと小さい。
葉をもんで傷口につけると血が止まることから「血止草」と名づけられた。
チドメグサの特徴

チドメグサの特徴は以下であり、ホシケチドメグサ、ノチドメ、オオバチドメ、ヒメチドメ、オオチドメとの区別に役立ちます(参考文献2)。
- 葉の表面に光沢があり、毛がない
- 葉の形状はほぼ円形で、切れ込んだ部分が重なり合うことが多い
- 花は葉の下につく
- 花穂はボール状で10個前後の花をつける
薬用としてのチドメグサ

チドメグサは止血薬以外にも、のどの痛みや風邪の緩和、解熱用として用いられることがあったようです。
のどの痛みや風邪の緩和には、葉のついているものを採取し、軽くたたいて土を払い落とし、水洗いをして日干し保存します。そして、10 gを水500 ccで半量に煎じ、1日3回に分けて服用します(参考文献3)。
解熱には、全草を秋の頃採取し、水洗いして乾燥させます。そして、1日量10-15 gを煎じ、1/3量になるまで煮詰めて服用します(参考文献3)。
チドメグサは芝生では厄介な雑草になる場合も
チドメグサは地面にへばりつくように伸びていくため、ゴルフ場などの芝地(芝生)では、厄介な雑草とされることがあります(参考文献4,5)。
チドメグサが雑草となる場合は、除草剤を使用して除草することになります。
チドメグサが除草対象として表示されている除草剤
参考文献
- 高橋修, 藤井伸二(監修). 色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑. ナツメ社 2014.
- 森昭彦. 帰化&外来植物 見分け方マニュアル950種. 秀和システム 2020.
- 廣部千恵子. 日本の民間薬2(風邪に使用する民間薬2-食物および薬草). 清泉女子大学紀要 2000 48:75-112.
- 小林弘ら. 新規芝生用除草剤ハロスルフロンメチル(NC-319)の作用性に関する研究(第3報)チドメグサに対する効果. 芝草研究 1997 26(supplement1):166-167.
- 三浦豊ら. シクロスルファムロン(AC322, 140)による芝生内のチドメグサ類防除について. 芝草研究 2001 30(supplement1):102-103.