「更年期ケアや美肌にいい『エクオール』って、どんな菌が作っているの?」 「腸内フローラ検査のデータから、自分のエクオール産生菌を探してみたい!」
こんにちは、ライフサイエンス系博士のハットンです。
大豆イソフラボンから代謝され、女性の更年期症状の改善や美肌、骨粗しょう症予防など、数々の健康効果が期待されている注目の成分「エクオール」。
このエクオールは、私たちの腸内に住む「エクオール産生菌」という細菌たちの働きによって作られます。
この記事では、科学的な根拠(研究論文)に基づき、現在知られているエクオール産生菌の具体的な種類や名前を一覧でご紹介します。これを知っておくと、腸内フローラ検査を受けた際に、自分の腸内にどの菌がいるのかを答え合わせできるようになりますよ!
目次
そもそも「エクオール産生菌」とは?最新の分類学で見る細菌たち

エクオール産生菌は、特定の1種類の細菌だけを指す言葉ではありません。分類学的に異なる複数の細菌たちが、それぞれエクオールを作る能力を持っています。
近年のゲノム解析の進展により、細菌の分類学(命名法)は大規模な再編が行われています。2019年の総合的な研究論文(※1)をベースにしつつ、記事内の「門(Phylum)」の名前は、現在推奨されている最新の国際細菌命名規約(ICNP)に基づいて記載しています。
現在判明している菌は、細菌の分類学上で主に「Actinomycetota(アクチノマイセトータ)門」と「Bacillota(バシロータ)門」の2つに大きく分けられます。
1. Actinomycetota(アクチノマイセトータ)門に属する菌
(※旧分類:Actinobacteria 門)
腸内環境に深く関わるビフィズス菌の仲間や、腸内の常在菌が含まれます。
- Adlercreutzia equolifaciens subsp. equolifaciens
健康な人の糞便などから分離される細菌です(※2)。ダイゼインから直接エクオールを作れる株と、中間の物質(ジハイドロダイゼイン)を経由して作る株が存在します。 - Bifidobacterium breve
身近なビフィズス菌の一種です。プロバイオティクス(健康に有用な微生物)として利用される「ATCC 15700T株」という種類で、エクオールを産生することが報告されています(※3)。 - Bifidobacterium longum subsp. longum
こちらも有名なビフィズス菌の一種。日本の多くの発酵乳製品などに使われている「BB536株」において、エクオールを産生することが確認されています(※3)。 - Eggerthella(エゲセラ)属細菌
健康な人の腸内にいる常在菌の一種です。直接エクオールを作る株(※4)や、中間の物質から変換する株(※5)が見つかっており、分類的には「Eggerthellaceae 科」に属します。 - Slackia equolifaciens
健康な人の糞便から分離された細菌で、ダイゼインからエクオールを産生することが報告されています(※6)。 - Slackia isoflavoniconvertens
こちらも同じく人の糞便から分離され、ダイゼインをしっかりと代謝してエクオールを作ることが分かっています(※7)。
2. Bacillota(バシロータ)門に属する菌
(※旧分類:Firmicutes 門)
主に「乳酸菌」の仲間たちがここに分類されます。
- Lacticaseibacillus(ラクチカゼイバチルス)属細菌
乳酸菌の一種。健康な人の糞便から分離された株が、エクオールを産生することが報告されています(※8)。 - Latilactobacillus(ラティラクチバチルス)属細菌
こちらも乳酸菌の仲間。同じく人の糞便由来の株でエクオール産生能が確認されています(※8)。 - Lactococcus garvieae subsp. garvieae
乳酸菌の一種で、健康な人の糞便から分離された株がエクオールを産生することが報告されています(※9)。 - Pediococcus pentosaceus
植物性乳酸菌などによく見られる仲間で、こちらも人の糞便から分離された株にエクオールを作る能力があると報告されています(※8)。

💡 博士の補足:腸内での見事な共同作業 細菌の中には、大豆の成分(ダイゼイン)をそのままエクオールにできない菌もいます。そうした菌は、他の細菌(Clostridium属など。これも現在は「Bacillota 門」に分類されます)が中間の物質に変えてくれたバトンを受け取ってエクオールを作ります(※10)。腸内では様々な菌が協力し合っているのですね。
注意:大豆を食べても「エクオール」を作れない人がいる?
ここまで多くの菌を紹介してきましたが、残念ながらすべての人の腸内にこれらの菌がいるわけではありません。
日本人の場合、約2人に1人(約50%)しか腸内にエクオール産生菌を持っていないとされています。菌がいない人は、どれだけ大豆製品を食べても体内でエクオールを作ることができず、その恩恵を受けにくくなってしまいます。
また、エクオール産生菌をサプリなどで外から摂取しても、自分の腸内に定着させることは非常に困難です。そのため、「自分が菌を持っている体質かどうか」をあらかじめ知っておくことは非常に重要になります。
自分の腸内にエクオール産生菌がいるか調べる方法
自分がエクオールを作れる体質かどうかは、自宅でできる検査キットで調べることができます。目的や好みに合わせて選ぶのがおすすめです。
① 腸内細菌の学名まで詳しく調べたいなら「マイキンソー」
「マイキンソー(Mykinso)」などの本格的な腸内フローラ検査キットでは、腸内細菌の構成比率や存在する菌の学名がデータとして細かく出力されます。 検査結果シートと、この記事で紹介した「学名の一覧」を見比べることで、「自分の腸内にどのエクオール産生菌が何%いるのか」を答え合わせするように自分で詳しく調べる楽しさがあります。
(※検査サービスによっては、旧来の「門」の名前がまだ使われている場合もありますが、学名(種名)で探せば問題ありません)

② 総合的な病気リスクや最適な食事まで知りたいなら「健腸ナビ」
「自分で学名を細かくチェックするのは難しそう…」「もっと総合的なアドバイスが欲しい!」という方には、『健腸ナビ』という検査キットがおすすめです。
このキットは、エクオールに関連する情報だけでなく、大腸がんや過敏性腸症候群(IBS)、更年期障害のリスクなど、30以上の病気リスクを総合的に判定してくれます。さらに、あなたの腸内環境に合わせた「おすすめの食品情報」まで具体的にフィードバックしてくれるため、未病ケアや日々の食生活の改善に直結させやすいのが大きなメリットです。
Amazonなどのネット通販で手軽に購入でき、自宅で採便して郵送するだけなので非常に簡単です。
③ 実際に作れている量(実数値)を知りたいなら「ソイチェック」
上記のフローラ検査は「菌がいるかどうか」を見るものですが、「今まさにどれくらいのエクオールが作られているか」をピンポイントで測定したい場合は、尿検査タイプのエクオール検査「ソイチェック」を利用するのが最適です。
まとめ:自分の腸内を知ることが「賢い腸活」の第一歩
腸内にいるエクオール産生菌の種類や名前について解説しました。
- エクオール産生菌には、ビフィズス菌の一部(BB536など)や多くの乳酸菌が含まれる。
- 分類学上は、主に「Actinomycetota(旧Actinobacteria )門」と「Bacillota(旧Firmicutes )門」に属する。
- 人によってはこれらの菌を生まれつき持っていないケースもある。
- 自分の腸内環境を知るために、「健腸ナビ」や「マイキンソー」などの検査キットを活用して一度チェックしてみるのがおすすめ。
もし検査の結果、菌がいなかったとしてもガッカリする必要はありません。その場合はサプリメントで直接エクオールを補うなど、自分に合った正しいアプローチを見つけるきっかけになりますよ!
参考文献
- Mayo B. et al. Nutrients 2019 11(9):2231.
- Maruo T. et al. Int J Syst Evol Microbiol 2008 58(5):1221-1227.
- Elghali S et al. J Funct Foods 2012 4(4):736-745.
- Yokoyama S, Suzuki T. Biosci Biotechnol Biochem 2008 72(1):2660-2666.
- Wang XL et al. Appl Environ Microbiol 2005 71(1):214-219.
- Jin JS et al. Int J Syst Evol Microbiol 2010 60(8):1721-1724.
- Matthies A et al. Appl Environ Microbiol. 2009 75(6):1740-1744.
- Kwon JE et al. PLoS ONE 2018 13:e0192490.
- 内山成人ら. 腸内細菌学雑誌 2007 21(3):217–220.
- Hur HG et al. Arch Microbiol 2000 174:422-428.
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