ピンク色の花が目を引くユウゲショウ。
夕方だけでなく日中はその花を見ることができます。
外来種で現在では日本全土に分布を広げています。
メキシコなどでは薬草として古くから民間療法に使用されているようです。
ユウゲショウ
ユウゲショウ(夕化粧)
学名:Oenothera rosea
別名:アカバナユウゲショウ
分類:アカバナ科マツヨイグサ属
花期:4~10月
分布:北アメリカ原産、日本全土に帰化
観賞用に栽培されていたものが野生化した帰化植物。
色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑(1)
夕方に咲くから夕化粧という名前がついているものの、実際には日の出前に咲いていて、夕方、日没のころにしぼむ。
草丈20~50 cm。
花の直径は1.5 cm程度。
雌しべは4裂する。
紅紫色の花弁は4枚。
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薬草としての一面もある
メキシコなどの海外では民間療法の薬草として、細菌感染症の一種である癰(よう)、咳(せき)、下痢、頭痛、炎症、にきび、皮膚感染症、胃の障害を和らげるために使用されるようです(2)。
そのような経緯から、ユウゲショウからの抽出成分について研究が行われています。
これまでに、マウスの関節炎の炎症を軽減する効果(3)、ラットの胃がんに対する保護効果(4)、ラットの急性結腸炎症(大腸炎モデル)の軽減効果(5)などが報告されています。
参考文献
- 高橋修, 藤井伸二(監修). 色で見わけ五感で楽しむ野草図鑑. ナツメ社 2014.
- Kaur R et al. Phytochemical investigation of Oenothera rosea L’Hér. Ex Aiton. International Journal of Research in Pharmacy and Biosciences 2017 4(4):24-31.
- Vargas-Ruiz R et al. Effect of phenolic compounds from Oenothera rosea on the kaolin-carrageenan induced arthritis model in mice. J Ethnopharmacol 2020 253:112711.
- Almora-Pinedo Y et al. Preventive effect of Oenothera rosea on N-methyl-N-nitrosourea-(NMU) induced gastric cancer in rats. Clin Exp Gastroenterol. 2017 10: 327-332.
- Calva-Candelaria N et al. Oenothera rosea L´Hér. ex Ait attenuates acute colonic inflammation in TNBS-induced colitis model in rats: in vivo and in silico myeloperoxidase role. Biomed Pharmacother 2018 108:852-864.