幼稚園に子供が通っていると、他の子供の習い事情報も耳に入ってきたりします。
そうすると、
「みんなは、幼稚園児に習い事をいくつさせているんだろう?」
「幼稚園児の習い事の数はいくつくらいがいいの?」
なんて疑問をもったりしますよね。
そこで、ここでは幼稚園児の習い事の数を調べた研究調査の結果をご紹介します。
結果を簡単に言うと、幼稚園児の約8割が習い事をしていて、さらに習い事をしている幼稚園児の6割近くが2つ以上の習い事を掛け持ちしていました。
実は、2つ以上の習い事の掛け持ちは、子供の成長をより感じられ、ママの育児幸福感(育児中に感じる肯定的な情動)にもプラスになります。
育児幸福感が高い場合、ママ自身も成長を実感でき、育児ストレスも回避しやすくなります。
そして、それは子供の幸福感や家庭円満にもつながります。
そのため、時間などに余裕がある場合は、幼稚園児の習い事は2つ以上の掛け持ちがおすすめです。
以下では、ライフサイエンス系博士(本ブログの管理人、小学1年生の娘有り)がもう少し詳しくご紹介します。
目次
幼稚園児は保育園児より習い事をしている比率が高い

ベネッセ教育総合研究所の2015年の調査(参考文献1)によると、幼稚園児(4~6歳)が習い事をしている比率は73.0%、保育園児(4~6歳)は56.7%でした。
幼稚園に通う子供のほうが、保育園に通う子供より習い事をしている割合が多いようです。
幼稚園のほうが子供の帰宅時間が早く、平日でも習い事をしやすいことが影響しているかもしれませんね。
幼稚園児の習い事はいくつ?

2013年に実施された私立幼稚園に通う園児(3~6歳)をもつママ(222名)を対象とした調査研究(参考文献2)の結果をご紹介します。
この調査では、86%の幼稚園児が習い事をしていました。
さらに、習い事をしている幼稚園児を対象に、4つのカテゴリーの習い事(スポーツ系/芸術・音楽系/学習系/その他)のうちいくつの習い事をしているのか調査が行われました。
その結果、最も多かったのは1種類の習い事をしている幼稚園児でしたが、2種類以上の習い事を掛け持ちしている幼稚園児の合計は6割近くになりました。
幼稚園児は時間的にも余裕があるので、複数の習い事をする傾向にあるようです。
幼稚園児の習い事の数
1種類の習い事をしている幼稚園児: 42.9%
2種類の習い事をしている幼稚園児: 36.6%
3種類の習い事をしている幼稚園児: 18.3%
4種類の習い事をしている幼稚園児: 5.2%
2013年に実施された私立幼稚園に通う園児をもつママを対象とした調査研究(参考文献2)の結果を引用して作成(調査対象:習い事をしている幼稚園児191名)
習い事の数はママの負担感に大きな影響なし
上記の調査研究(参考文献2)では、幼稚園児の習い事の掛け持ちがママの負担感に与える影響について調査が行われました。
その結果、意外にも幼稚園児の習い事の掛け持ちはママの負担感に大きな影響を与えませんでした。
子供の習い事が1つでも、2つ以上でも、ママの負担感はあまり変わらないようです。
習い事の掛け持ちは子供の成長をより感じることにつながる

また、調査研究(参考文献2)では、習い事の掛け持ちをしている幼稚園児のママは、掛け持ちをしていない幼稚園児のママに比べて子供の成長をより感じていることもわかりました(参考文献2)。
複数の習い事を掛け持ちすることで幼稚園児は多くのことを学び、それが成長につながるようです。
幼稚園児の習い事の掛け持ちはママの幸福感にも影響する

「習い事は子供の成長や将来のため」と子供のことを考えて習わせることが多いと思いますが、習い事の影響は子供だけではありません。
子供の習い事は、ママの育児幸福感(育児中に感じる肯定的な情動)にも大きな影響を与えています。
その理由は、ママが育児幸福感を感じる主な要因が「子供の成長・発達・健康」だからです(参考文献3)。
習い事の掛け持ちをしている幼稚園児のママは、子供の成長をより感じやすく、育児幸福感も高まりやすくなります。
特にその傾向は専業主婦のママにみられるようです。
幼稚園児の習い事の掛け持ちは専業主婦のママの幸福感にプラス
調査研究 (参考文献2)では、専業主婦のママの場合、習い事によって子供の成長を感じているほど「育児の負担・不安」、「疲労感・気力低下」が低く、「子供の成長」、「希望と生きがい」、「出産や子育ての意義」について幸福感が高い傾向があることがわかりました。
習い事を通じて子供の成長を感じるほど、喜びと生きがいを感じられるようです。
また、専業主婦のママの場合は、習い事による負担感が高いほど子供の成長について幸福感が高くなる傾向が研究調査で報告されています(参考文献2)。
専業主婦のママは子供の成長が自身の幸福に直結していると言えそうです。
子供が習い事を楽しんでいて子供自身に負担がかからない場合は、積極的に習い事の掛け持ちをさせたほうがいいかもしれません。
ワーママは習い事の負担感に意識が向かいがち
一方、何かしらの仕事をしているワーママの場合は、残念ながら専業主婦のママほどの育児幸福感を得にくいようです(参考文献2)。
ワーママの場合は、子供の習い事によって発生する時間的・身体的な拘束が仕事と育児の両立に大きく影響するため、子供の習い事による負担感のほうに意識が向いてしまう傾向があります。
子供に習い事の掛け持ちをさせる場合は、送迎の必要がない通信教育やオンラインの習い事を利用するなどして、負担感を軽減すると育児幸福感を多く得られるかもしれません。
習い事の掛け持ちは子供の気持ちを優先

習い事の掛け持ちは幼稚園児の成長につながり、ママの幸福感を高めることにもなります。
でも、それは子供が習い事を楽しんでいる場合です。
無理強いはせずに、子供の気持ちを考慮して習い事の数を決めてください。
幼稚園児の習い事
幼稚園児の習い事の例(公式サイトへのリンク)をいくつか挙げておくので参考にしてください。
習い事の掛け持ちをする場合は、学習系を含める家庭が多いようです(参考文献2)。
学習系
\しまじろうと一緒に学ぶ通信教育/
\大画面、専用タブレットで学ぶ幼児向け通信教育/
\STEAM教育領域の新しい形の通信教育/
\生きた英語が身に付く英会話教室/
芸術・音楽系
\ドレミファソーラファ、ミ・レ・ドー♪/
\マンツーマン指導の子供レッスンコース/
スポーツ系
\スイミング、体育、各種ダンス、チアリーディング、etc./
まとめ

幼稚園児の7~8割が習い事をしています。
さらに習い事をしている幼稚園児の6割近くが2つ以上の習い事を掛け持ちしています。
複数の習い事の掛け持ちは、子供の成長をより感じられ、ママの育児幸福感にもプラスです。
時間に比較的余裕のある専業主婦のママなら、子供に無理のない範囲で2つ以上の習い事をさせることをおすすめします。
ワーママの場合は、習い事の負担感を減らすために送迎の必要がない通信教育やオンラインの習い事を利用することがおすすめです。
ママの育児幸福感が高い場合はママ自身も成長を実感でき、育児ストレスも回避しやすくなります。
そして、それは子供の幸福感や家庭円満にもつながります。
子供の習い事を通して家族みんながハッピーになれるといいですね!
参考文献
- 第5回 幼児の生活アンケート.ベネッセ教育総合研究所 2016. https://berd.benesse.jp/jisedai/research/detail1.php?id=4949
- 谷芳恵ら. 子どもの習い事と母親の育児不安および育児幸福感の関連:母親の就労状態に着目して. 神戸大学大学院人間発達環境学研究科研究紀要 2019 13(1):31-36.
- 清水嘉子, 伊勢カンナ. 母親の育児幸福感と育児事情の実態. 母子衛生 2006 47:344-351.
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