クツワ(株)から発売されている「ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ」をライフサイエンス系博士の父親がレビューします。
この商品は、6歳頃(小学校入学前後)の子供におすすめで、子供が自分の力で楽しくスライムをつくることが可能です。
完成までにかかる時間は15分ぐらいで、子供が集中して作業するにはちょうどいい内容。
植物系増粘剤とホウ砂などでできたスライムはプルプルで、目玉をつけてカプセルに閉じ込めます(カプセルにスライムを入れるので散らからないのもいいところ)。
カプセルを振ったりすると、目玉とともにスライムがプルプル動き、コミカルです。
また、スライムには蓄光顔料が含まれていて、暗い場所で光るのも子供の興味を引きます。
スライムづくりと蓄光の不思議が、子供の知的好奇心を刺激します。
子供とのおうち時間の暇つぶしや、知り合いの子供へのちょっとしたプレゼントなどにいいかもしれません。
スライムや蓄光に関してしっかり考察すれば小学生の夏休みの自由研究にもなるかも?
目次
ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ

「ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ」は、クツワ株式会社のHATSブランド(ハッとするときめきや感動を提供する工作・ホビー商品のブランド)の商品の1つです。
商品の基本的な情報を以下に紹介します。
ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ
対象年齢:6歳以上
セット内容(商品の目玉以外は日本製)
・ダンシングスライミーのもと
・ダンシングスライミー魔法の液
・カプセル
・目玉
・ポリシート(43 cm × 30 cm)
・作り方説明書
商品以外に準備が必要なもの
・ハサミ
・セロハンテープ
・ティッシュ
ダンシングスライミーをつくる
小学1年生の娘と実際に「ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ」をつくってみました。
商品には、汚れ防止のためのポリシートが付属していますが、念のためにさらに新聞紙を敷いて、作り方の説明書を見ながら作業を進めていきました。
①カプセルの穴をセロハンテープでふさぐ

スライムを入れるためのカプセルには9カ所の穴が開いています。
これらの穴をセロハンテープでふさぎます。
6歳ぐらいだとセロハンテープを使用した工作の機会が増え、私の娘はセロハンテープを貼り終えた後は得意気にしていました。
小さな成功でもほめてあげると達成感があり、子供の自己肯定感が高まります。
②ティッシュでカプセル用の台をつくる

ティッシュペーパーを1枚使って、カプセル用の台をつくります。
具体的にはティッシュペーパーをくるくると縦長に丸め、ねじります。
ねじったものをリング状にして、セロハンテープで固定します。
(作り方の見本を見せてあげると、子供一人でもできます)
③ダンシングスライミー魔法の液をいれる

ティッシュでつくったカプセル用の台の上にカプセルをのせます。
ダンシングスライミー魔法の液をよく揉んで混ぜてから切り取り線をハサミで切って開け、中身をカプセルに入れます。
ダンシングスライミー魔法の液は白い色をしています。
ダンシングスライミー魔法の液に含まれるもの
水、植物系増粘剤、蓄光顔料、防腐剤
④ダンシングスライミーのもと

ダンシングスライミーのもとの袋も切り取り線をハサミで切って開け、中身をカプセルに入れます。
ダンシングスライミーのもとは透明の液体です。
ダンシングスライミーのもとに含まれるもの
水、プロピレングリコール、グリセリン、ホウ砂、防腐剤、ポリエチレングリコール
⑤スライム(スライミー)をつくる

カプセルのフタをしっかりとしめます。
カプセルを手に持って、2~3分間よく振って混ぜます。
通常のスライムよりも混ざるのに時間がかかるので、水気がなくなり2液がなじむまでしっかりと混ぜます。
スライムに変化してくると“ペタペタ”というような音がしてきます。
3分間振って混ぜるのは大変なので、私の場合は娘に
「今、化学反応が起きてだんだんスライムができているよ!頑張って!」
「音が変わってスライムができてきたみたい!あともう少し!」
などの声掛けをして、できるだけ気分を盛り上げました。
⑥スライムをさわってみる

カプセルをあけて、付属の目玉をスライムの上に置き、再びカプセルのフタを閉じれば完成です。
完成までの時間は15分程度でした。
せっかくなのでできたスライムをさわってみました。
娘は「プルプルなのに手にくっつかない!いつものスライムと違う!」と言っていました。
こういう体験や観察は大事だと思います。
せっかくなので、いつもの洗濯のり(PVA:ポリビニルアルコール)を使ったスライムとは材料が違っていて、それがスライムのさわり心地に影響した可能性を説明しました。
スライムで遊ぶだけでなく、スライムのでき方についても少し考えることができたのではないかと思います。
⑦スライムで遊ぶ

カプセルを揺らしたり、回したり、転がしたり。
プルプルしたスライムに目がついているので、コミカルで面白いです(目がついているのでドラクエのスライム(バブルスライム)みたいな雰囲気も?)。
⑧暗闇で蓄光を観察

しばらく遊んで飽きてきたころに、暗闇で光ることを教えました。
部屋の暗いところに持っていくと、スライムがブルーグリーンのような色でほのかに光り、娘は喜んでいました。
いろいろな暗い場所に持って行って、光るのを確認していました。
せっかくなので、暗い所で光るのはスライムに蓄光顔料が入っていて、明るいところでためた光が暗い所で少しずつ出てきて光ることを簡単ですが説明しました。
詳しいことはわからなくても、蓄光という現象を知ることはできたと思います。
ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプの総評

「ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ」は、難しい作業がなく、6歳頃の子供であれば自分でつくることができます(ただし、子供が作業するときは必ず保護者がそばにいるようにしてください)。
自分で作ることができると達成感が得られ、子供の自己肯定感が高まることにつながるので、いい商品だと思います。
スライムが完成するまでの時間も15分程度なので、子供も集中して最後まで取り組むことができます。
スライムづくりと蓄光の不思議が子供の知的好奇心を刺激し、子供の知識や考える力を高めます。
一方で、作業が比較的簡単なので、小学校高学年の子供には内容が物足りない可能性があります。
また、作業自体は15分程度で終わってしまうので、長い時間の暇つぶしには向かないかもしれません。
自由研究の可能性
スライムと蓄光についてさらに調べて考察すると小学校の夏休みの自由研究にもなるかもしれません。
「ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ」をきっかけに、子供と一緒に調べたり考えてみたりする機会にしてみてはいかがでしょうか?
スライムについての考察のヒント

一般的なスライムは、洗濯のりなどの含まれるPVA(ポリビニルアルコール)をホウ砂によって架橋(化学反応による連結)して作製します(参考文献1)。
水の中でバラバラに存在していたPVAが、ホウ砂によって連結して立体的な網目構造となり、その網目構造の中に水が保持されてスライムとなります。
でも、「ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ」の組成を見ると、ホウ砂は「ダンシングスライミーのもと」の組成に含まれていますが、PVAは見当たりません。
その代わり、植物系増粘剤が「ダンシングスライミー魔法の液」の組成に認められます。
つまり、「ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ」では、この植物系増粘剤をホウ砂によって架橋してスライムをつくっているようです。
このことから、PVA以外にも植物系増粘剤を使うことでスライムがつくれることがわかります。
(残念ながら植物系増粘剤として具体的に何が使用されているのかは不明です。ごめんなさい。)
スライムは様々な商品が市販されています。
これをきっかけに、市販のスライムがどのような材料で作られているか調べて、比較して考察すると自由研究となるかもしれません。
蓄光顔料についての考察のヒント
「ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ」には蓄光顔料が使用されていました。
蓄光という現象について調べてみたり、蓄光顔料が社会でどのように利用されている(または今後利用される可能性がある)のかを調べてみたりすると自由研究になるかもしれません。
まとめ
クツワ(株)から発売されている「ダンシングスライミーをつくろう!蓄光タイプ」をレビューしました。
6歳頃(小学校入学前後)の子供におすすめの商品で、スライムづくりと蓄光の不思議が、子供の知的好奇心を刺激します。
子供とのおうち時間などで遊んでみてはいかがでしょうか?
また、子供のいる家庭へお邪魔するときなどに、子供へのちょっとしたプレゼント(手土産)にするのもいいかもしれません。
参考文献
- 山本早紀ら. けん化度が異なるポリビニルアルコールを用いたスライムの作成. 化学と教育 2019 67(8):374-377.
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