STEAM(スティーム)教育。
言葉は聞いたことがあっても、具体的にどんな教育なのかわかりにくいですよね。
それもそのはずで、STEAM教育は2006年に初めて提唱された教育理念。
日本では2019年ごろから注目されるようになりました。
STEAM教育は簡単に言うと、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)のSTEM教育(従来から存在した理数教育)に、アート(Art)を統合させた創造性教育です。
アートを理数教育に統合させることで、STEAM教育を受けた人材から生み出させる成果に多様性が生まれ、技術革新(イノベーション)につながることが期待されています。
最近注目されるようになったばかりのSTEAM教育ですが、これからのSociety 5.0 [サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の2050年ごろの社会]実現へ向けた社会で活躍する豊かな創造性を備えた人材を育成できる教育として重要視されています。
言い換えるとSTEAM教育をしっかり受けた子供は、これからの社会で活躍できる可能性が高まるといえます。
そのため、なるべく早い時期、幼児期または小学生からSTEAM教育をお子さんに積極的に受けさせることをおすすめします。
ここでは、ライフサイエンス系博士(本ブログの管理人)が、STEAM教育について解説し、幼児期または小学生から受けられるSTEAM教育のサービスなどを紹介します。
目次
STEAM教育とは

STEAM(スティーム)教育とは科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)のSTEM教育(従来から存在した理数教育)に、アート(Art)を統合させた創造性教育のことです。
(日本では、アートを芸術、文化、生活、経済、法律、政治、倫理等を含めた広い範囲で定義しています(参考文献1))
STEAMはそれぞれの頭文字を組み合わせた造語です。
これからのSociety 5.0実現へ向けた社会では、STEM教育(理数教育)にアートを統合させたSTEAM教育を行い、アートの影響による拡散的な思考のもとで多様な成果を出すことが技術革新(イノベーション)につながると考えられています。
STEAM教育は2006年に初めて登場し、提唱された際の理念は、
「天才と呼ばれてきた人間は、芸術と科学を融合した思考によってその才能を発揮してきた。人間の創造的思考を高めていくためには科学的思考と芸術的思考が共に必要である。」
と説明されています(参考文献2)。
この理念からわかるように、STEAM教育は天才と呼ばれるような人材を育成する側面があることがうかがえます。
Society 5.0の実現に貢献する人材の育成に必要なSTEAM教育

なぜSTEAM教育が必要なのでしょうか?
それは、日本でのSociety 5.0の実現に必要な人材を育成するためにSTEAM教育が有効と考えられているためです。
Society 5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)のことです。Society 5.0で実現する社会は、IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。
(内閣府Webページ (参考文献3)を参考に記載)
Society 5.0は2050年頃の日本のあるべき社会の姿とされ、2030年頃にある程度具現化することが目標とされています。
Society 5.0の実現のためには、今までにない新たな価値を生み出すことや社会の変革(イノベーション)を行うことができる豊かな創造性を備えた人材が必要となります。
STEAM教育は、この豊かな創造性を備えた人材を育成できると期待されています。
STEAM教育の目的
文部科学省の資料(参考文献1)によるとSTEAM教育の目的として以下の2つが挙げられています。
■科学・技術分野の経済的成長や革新・創造に特化した人材育成
■STEAM分野が複雑に関係する現代社会に生きる市民の育成
■科学・技術分野の経済的成長や革新・創造に特化した人材育成
上記で述べたように、Society 5.0の実現を可能とする、今までにない新たな価値を生み出すことや社会の変革(イノベーション)を行うことができる豊かな創造性を備えた人材を育成することがSTEAM教育の目的の1つとなります。
■STEAM分野が複雑に関係する現代社会に生きる市民の育成
STEAM教育のもう1つの目的としては、Society 5.0の実現に向かう社会に一般市民が適応できるようにすることです。
STEAM教育を受けたからといってすべての人が天才のようになれるわけではありません。
しかしながら、STEAM教育を受けることで、Society 5.0が実現した社会に適応し豊かな生活を送ることができる素養が身につくことが期待されます。
STEAM教育は高等学校で重点的に行われる

文部科学省の資料(参考文献1)によると、STEAM教育は各教科での学習を実社会での問題発見・解決にいかしていくための教科横断的な教育とされています。
STEAM教育は高等学校における教科等横断的な学習の中で重点的に取り組むべきものとされ、今後は高等学校を中心にSTEAM教育が実施されていくと思われます。
STEAM教育を受けるための土台作りは幼児期から

ただし、高等学校でのみSTEAM教育を行っても、豊かな創造性を備えた人材が急に育成できるとは思えません。
そのため、文部科学省の資料(参考文献1)にも、STEAM教育を受ける土台作りとして、幼児期からのものづくり体験や科学的な体験の充実、小学校、中学校での各教科等や総合的な学習の時間における教科等横断的な学習や探究的な学習、プログラミング教育などの充実に努めることが重要であると指摘されています。
さらに、小学校、中学校においても、児童生徒の学習の状況によっては教科等横断的な学習の中でSTEAM教育に取り組むことも考えられるとしています。
ただし、文部科学省の資料(参考文献1)では、小学校や中学校でのSTEAM教育は、教師の裁量に任せるような記述にとどまっており、通う学校やクラスによってSTEAM教育を受けられる子供と受けられない子供の格差が生じる可能性が懸念されます。
STEAM教育につながる幼児期または小学生からのオンライン学習

子供が成長した未来の社会は、Society 5.0の実現を目指している社会です。
今までにない新たな価値を生み出すことや社会の変革(イノベーション)を行うことができる豊かな創造性を備えた人材が活躍します。
このような人材に子供が成長するためには、幼児期または小学生からのSTEAM教育を受けるための土台作りとなる教育、またはSTEAM教育そのものを積極的に受けることが大切です。
現在は、STEAM教育に関係するオンライン学習(通信教育サービス)がいくつかあります。
このようなオンライン学習であれば住んでいる地域に関係なく受講できます。
子供の将来を考える場合は、このようなオンライン学習の活用を検討してみることをおすすめします。
以下では、STEAM教育につながる幼児期または小学生からのオンライン学習(通信教育サービス)を紹介します。
1. ワンダーボックス

ワンダーボックスは、毎月届くキット(ワークブックやパズルなど)と専用アプリを組み合わせて学ぶ、STEAM教育の通信教育サービスです。
プログラミングやアート、科学など、新時代を生きる子どもたちに大切な素養を、まるで遊びのように楽しみながら身につけることができます。
毎月更新される10種類のSTEAM分野の教材で、問題解決力、創造性を引き出します。
4歳から始められるので、幼児期からのSTEAM教育を検討されているご家庭にとくにおすすめです。
備考
対象:4歳~10歳
専用アプリを使用するため受講にはタブレットまたはスマートフォンが必要になります。
まずは無料の資料請求をしてみることをおすすめします。
保護者向けのパンフレットと、子供向けの体験版キット、体験版のアプリを利用できます。
体験版のアプリは7日間試せるので、ワンダーボックスに対する子供の反応を見ることができます。
\ワンダーボックスの公式サイトはこちら/
2. アタムアカデミー(ATAM ACADEMY)

アタムアカデミーはオンラインのイラスト教室で、デジタルツール(プログラミングを含む)を使用したイラスト制作技術(アート技術)と社会への参画(イラスト制作で新たな価値あるものを創造し収入を得る体験)の2つを同時に学ぶことができます。
アタムアカデミーでは、アートを主軸としたSTEAM教育が受けられます。
絵を描くことが好きなお子さんにおすすめです。
備考
対象:園児、小学生~
受講にはインターネットに接続されたパソコン、iPad、Apple Pencilが必要になります(iPadとApple Pencilはレンタルも可能)
アタムアカデミーでは、オンライン無料体験教室が毎週開催されているので、まずはオンライン無料体験教室を受講してみることをおすすめします。
\アタムアカデミーの公式サイトはこちら/
関連記事「オンラインのイラスト教室でSTEAM教育?小学生の習い事アタムアカデミー」もよかったら読んでみてください。

3. Groovy Lab in a Box

Groovy Lab in a Boxでは、STEAM教育が進んでいるアメリカの教材を使用して学習することができます。
毎月送られてくるボックスの中には実験・アクティビティ・エンジニアリングデザインチャレンジに必要な全ての道具と基礎知識のガイドブックが入っています。
毎月の様々なミッション遂行を通じて、創造力を主体的に発揮できるよう工夫されています。
マイク博士の動画STEAMレッスンを視聴しながら楽しくミッションを遂行します。
動画は英語と日本語に対応していて、自然に英語の学習も行えます。
教材は科学実験的な要素が強いため、科学や研究、実験に興味があるお子さんにおすすめです。
備考
対象:小学生・中学生(6歳以下でも受講可能)
オンラインの授業はありません。
無料体験や資料請求はありませんが、月々2,980円(税込)で始められていつでも解約可能です。
\Groovy Lab in a Boxの公式サイトはこちら/
4. ロッボクラブ

英語で学ぶロボット教室であるロッボクラブでは、STEAM教育の特に「T」(Technology)と「E」(Engineering)に注力した教育プログラムを受けることができます。
発想力、論理力、表現力、批判的思考力、コミュニケーション力という5つの項目を重視するフィンランドの教育メソッドが採用され、ネイティブとの英語での学習によりインターナショナルな感覚も身に付きます(日本語サポートあり)。
自由度の高いオープンソースの教材を使用して、世界基準のロボット工学カリキュラムを軸に、プログラミング、3Dモデリング、電子回路設計、アプリ開発などについて学べます。
全国どこからでも受講できるオンライン教室とオフライン教室(対面での教室)があります。
お子さんが将来グローバルに活躍することを期待する場合におすすめの習い事です。
備考
対象:年中~年長、小学生、中学生(受講年齢:5歳~15歳)
オンライン教室のみパソコン(インターネット接続可能なもの、マイク・カメラが使えるもの)が必要です。
ロッボクラブでは体験会/見学会が開催されています。
お子さんの反応を見るためにまずは体験会/見学会に参加してみるのがいいと思います。
体験会後1週間以内の入会で、初回授業料割引の特典もありお得です。
\ロッボクラブの公式サイトはこちら/
関連記事「STEAM教育が受けられるロボット教室!?英語で学ぶロッボクラブ」もよかったら読んでみてください。

STEAM教育には学校で習う教科の学習も重要
STEAM教育で受けた成果を発揮するためには、基礎的な知識や技術を十分に習得しておくことが大切です。
基礎が十分になければ、応用や技術革新は起こりません。
解決すべき課題を見つけることすらできないかもしれません。
基礎的な知識や技術となるのは、学校で習う各教科の内容です。
そのため、STEAM教育だけでなく、小学校、中学校、高等学校などの各教科等の学習もしっかり行う必要があります。
まとめ
子供が将来活躍するにはSTEAM教育で創造性を育むことが重要です。
そのため、なるべく早い時期、幼児期または小学生からお子さんにSTEAM教育を積極的に受けさせることをおすすめします。
参考文献
- STEAM教育等の教科等横断的な学習の推進について. 文部科学省初等中等教育局教育課程課. https://www.mext.go.jp/content/20210714-mxt_new-cs01-000016477_004.pdf
- 安東恭一郎, 金政孝. 科学と芸術の融合による教育の可能性と課題 -韓国STEAM教育の原理と実践場面の検討-. 美術教育学(美術科教育学会誌) 2014 35:61-77.
- Society 5.0. 内閣府. https://www8.cao.go.jp/cstp/society5_0/
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